【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】


 それなんです! じつは私は前から折りに触れて「アキダイの秋葉社長に民放連から感謝状を送るべきだ」と言い続けてきたのですが、それほどアキダイのテレビ局に対する貢献は大なるものがあります。


 何がそんなにスゴいのか?というと、秋葉社長は取材を断らないんです。

じつは大手のスーパーがテレビカメラで撮影を伴う取材に応じるのは、ほぼ「自分たちの新商品や新サービスを宣伝したいときだけ」なんです。それ以外の理由で取材を申し込んだとしても、なかなか許可はおりませんし、OKされたとしても非常に時間がかかります。しかし、アキダイは大概の場合、即座に快く取材に応じてくれます。ネガティブな話題であっても応じてくれる。これがありがたいんですよね。


 考えてもみてください。ニュースでスーパーを取材するのって、ネガティブな話の時だけですよね。いまだって「米が異常に高い」とか超ネガティブじゃないですか。「何かが値上がりしてる」とか、「何かが不作だ」とか、マイナスな話ばっかり。ぶっちゃけそんな話を放送されても、スーパーにとってプラスはないんです。


■「今日お願いして今日撮影したい」に対応してくれる


 でも、秋葉社長は快く応じてくれる。しかも、こういうニュースの取材って「今日お願いして今日撮影したい」みたいなケースがほとんどですから、「広報にまず申請を出して、本部が検討してどの店舗で取材に応じるか決定して、お客様の少ない時間帯に取材を認めます」みたいなこと言ってると時間切れになるんです。

「いいよ。これからおいで」と言ってもらえて、すぐ撮影できるなんて、夢みたいな話です。


 しかも、秋葉社長って「どんな売り場のことも、どんな食材のこともよく知ってる」じゃないですか。きっと「長年アキダイを取り仕切ってきたから」ですよね。これが大手だったら、「鮮魚売り場は鮮魚担当」って感じで、ある売り場のことは他の部署にはさっぱり分からないから、秋葉社長みたいに一人で全部説明できる人は貴重なんです。さらに、話が分かりやすくて面白い。売り場で鍛えた話術、ってことでしょうね。


 だから、秋葉社長は余人を持って代えがたい。あ、でもね。最近ある番組で「コメンテーター」として出演するのを見たんですけど、申し訳ないけどスーパーと関係ないニュースの感想を答えさせられてるのはちょい可哀想でした。そういうのは、やめてあげてほしいな、と。


(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)


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