合鍵侵入男の目的は後輩女性社員に対する「嫌がらせ」だけではなかった。
食事の誘いを断られた腹いせに無断で女性宅の合鍵を作って侵入、洋服などを盗んだとして川崎市の会社員、村井勇希容疑者(27)が17日、窃盗と建造物侵入の疑いで警視庁蒲田署に逮捕された。
今年3月30日午前0時ごろ、村井容疑者は合鍵を使って、会社の後輩の20代女性が住む東京都大田区の社員寮に侵入。ブラウスやバッグのほか、玄関に設置されていた置き型の防犯カメラなど、6点(1万5000円相当)を盗んだ。
■食事の誘いを断られた腹いせに
「村井は会社内で女性のメンター(若手社員の教育係)をしていて、ずっと好意を抱いていた。過去に何度もLINEで食事に誘ったが、そのたびに既読スルーされていた。ムカついた村井は女性を嫌な目に遭わせてやろうと考え、昨年8月ごろ、職場で女性の荷物を勝手に物色。かばんの中から社員寮の鍵とマイナンバーカードを見つけ、記載されていた鍵番号とメーカー名を確認し、大田区の自宅住所を特定した」(捜査事情通)
村井容疑者は入手した情報をもとにインターネットで合鍵1本を作成。昨年9月ごろから女性が暮らす社員寮に20回ほど侵入していた。村井容疑者のスマホには、被害女性が暮らしていた室内の写真が300枚ほど保存されていた。
逮捕容疑となった30日に盗まれたのはマイナンバーカードなど計6点だったが、村井容疑者の自宅をガサ入れしたところ、被害女性のものとみられる下着や洋服など、およそ80点が見つかった。
女性は小物が次々なくなっていることを不審に思い、玄関先に置き型の防犯カメラを設置。そのカメラまでなくなっていたため、誰かが部屋に侵入したと確信し、警察に被害を届け出た。
「複数の下着やリップクリームまでなくなっていたことから、嫌がらせだけでなく、性的な目的もあったとみている。
調べに対し、「好意を寄せていた女性を食事に誘ったが無視されたので、腹いせに嫌がらせをした」と供述しているという。
鍵番号で簡単に合鍵が作れるようになったからか、最近、この手の事件が後を絶たない。教育係の先輩社員が1人暮らしの女性の部屋に上がり込み、クローゼットを物色し、ニヤニヤしながら下着を取り出している姿を想像するだけでゾッとする。