アラフィフ母は「ありな」と名乗って若い女性になりすまし、アラハタ息子が男性客に法外な請求をふっかけ、親子でぼったくりを繰り返していた。
マッチングアプリで知り合った男性から不当な飲食代金を取り立てたとして、群馬県沼田市の元飲食店従業員、永井麗央(21)、母親で障害者支援団体勤務の博美(49)両容疑者ら男女7人が先月29日、東京都ぼったくり防止条例違反容疑などで警視庁保安課に逮捕された。
■若い女性を装い200人の男性と接触
今年5月、博美容疑者は若い女性のフリをしてマッチングアプリで知り合った30代男性を東京・渋谷に誘い出した。麗央容疑者らは待ち合わせ場所に別の無職の女を向かわせ、男性を道玄坂のバーに連れてこさせた。女が飲み放題を注文するよう仕向け、男性に高額な酒を大量に飲ませ、「飲み放題ではない酒を飲んだ」と言いがかりをつけ、36万円を請求した。
「男性客が素直に支払いに応じると、麗央らは調子に乗り、『あなたのせいで他の予約客の対応ができなくなり、キャンセルになった』『請求金額に間違いがあった』と難癖をつけ、追加、追加で計432万円を支払わせた」(捜査事情通)
麗央容疑者は障害者向けのアプリを使って、障害者から大金をだまし取っていたグループの一員で、これまで13人の仲間がパクられている。
麗央容疑者はアプリで知り合った男性を誘い出す「アポ取り役」として、母親の博美容疑者に目を付け、<メッセージのやりとりをして店に連れて行くだけの楽な仕事で稼げるからやってみない>と口説いた。博美容疑者は息子の指示に従い男性200人と接触して6人の客から約880万円を巻き上げていた。
「博美は麗央から『金がなくて生活が苦しくなった。副業をしようと思っている』と相談を受けた。博美はてっきり、風俗店のキャッチをしていると思い込んでいた。その後、ぼったくりバーで働いていることを知り、『捕まるからやめなさい』と忠告したが、大金を得ていることを聞かされ、カネに目がくらんだ」(前出の捜査事情通)
調べに対し、「息子から誘われた。連絡をとるだけで稼げるならやってみようと、軽い気持ちでやってしまった。旦那と私の稼ぎだけでは生活が苦しく生活費の足しにするために誘いに乗った。
仲間内から「気が狂っている」と言われるほど、母子そろってカネにとりつかれていた。