万引集団はその都度メンバーを入れ替え、東京駅からキセルをしながら、関西まで遠征に出かけていた。
今年6月、大阪・関西万博会場の公式ストアでオフィシャルグッズが大量に万引された事件。
6人は6月26日午後0時半ごろ、万博会場で公式キャラクター「黒ミャクミャク」のぬいぐるみなど、関連グッズ111点(計41万円相当)を万引。最後に逮捕された河野容疑者の自宅天井裏からはミャクミャクのキーホルダーなど、約50点が見つかった。親にバレないように、万引した品を隠していた。河野は14日夜、父親に付き添われ、警視庁に出頭した。容疑者
6人は全員、「撮り鉄」仲間で一部は中学時代からの友人だった。事件当日、現行犯逮捕された平原雄大容疑者(20)が仲間に万引を持ち掛け、毎回、チームを組んで犯行に及んでいたとみられる。6人は正規の入場料金を払わず、通常4200円の「中人料金」で入場するなど、不正入場を繰り返した疑いもある。
「サンリオの『ハローキティ』やファミリアの『ファミちゃん』とのコラボ商品など、高額で転売できる限定グッズの販売時期を狙い、日帰りで遠征していた。平原は『過去に万引したグッズをフリマサイトで転売して23万円ぐらいの売り上げになった』と話している」(捜査事情通)
6人は各自、東京駅に集まり、150円の入場券を購入して改札を通過し、新幹線にバラバラに乗車。それぞれ車両を移動しながら検札を逃れ、新神戸駅で下車した。
■鉄道会社から多額の請求も
「手前の新大阪駅は駅員の人数が多く、警備が厳しいため、監視の目が手薄な新神戸駅で降りていた。平原らは『無賃乗車は当たり前』と供述しているように、撮り鉄の間では新神戸駅のチェックが緩いことは共通認識だった。河野だけは、後続の新幹線で遅れてやってきたため、新大阪駅で改札を強行突破していた。駅の防犯カメラにその様子が記録されていた」(前出の捜査事情通)
無職の1人を除き、男5人は首都圏の中堅私大に通う現役大学生だ。大学から厳しい処分を受けるだけでなく、メディアで顔と氏名を報じられ、就職活動も厳しくなるだろう。
さらに、これまで全国各地でキセルを繰り返していたことが立証されれば、鉄道各社から、通常の運賃を超えた多額の過料を科される可能性もある。
キセル万引の代償はあまりにも大きい。