利用客らは高い料金を支払いながら、ホテルで待ちぼうけをくらっていた。


 デリヘルのサービスを提供するつもりがないのに利用客から現金を受け取ったとして、大阪府警南署は19日、ミナミの派遣型風俗店「禁断の素人日本橋店」の経営者、門祥平容疑者(36)を詐欺の疑いで逮捕した。


 8月5日未明、風俗サイトを見た府内在住の60代男性が滞在先のホテルから店に電話し、90分1万1000円+指名料2000円のコースをオーダーした。店側は「90分計1万3000円になります。ホテルの部屋で待っていてください」と答え、電話は切れた。約30分後、門容疑者から「ホテルの前にいるのでエントランスまで来てください」と連絡があり、客は1階にいた門容疑者に2万円を手渡した。


■5万円巻き上げドロン


 すると門容疑者は「あなたが指名した女の子は『禁断コース』なので特別料金がかかります。追加で3万2000円払ってください」と請求。客がしぶしぶ1万円札3枚を渡し、「お釣りの5000円、ちょうだいや」と言うと、門容疑者は態度を豹変。「これは入会金や。5万円いるんや」と言い放ったため、客が「そんなもん払えるかい」とキレ、トラブルに。門容疑者は「女の子を連れてきます」と言い残し、金を持ったままその場から立ち去ったが、チェックアウトの時間までヘルス嬢が部屋を訪れることはなかった。


 昨年以降、「料金を支払ったのに女性が来ない」「高額な追加料金を要求された」といった被害相談が警察に20件以上、寄せられていた。


「門は同様の手口で客から金をだまし取っていた。

客が怒って『ほんならキャンセルするわ』と言っても、『女の子がもう近くまで来てる』とウソをついて追加料金を請求していた。実際、現場のホテルまで来たヘルス嬢は1人もおらず、パネルに載っていた複数の女の子が実在していたのかも不明。パネル貸しだった可能性もある。『禁断のコースや』と言われ、追加料金を請求された時点で『もう、ええわ』と怒って帰った客や、金だけボラれて泣き寝入りしているケースもあった」(捜査事情通)


 店は2022年7月に開業の届け出を行っており、風営法や風適法では立件が難しかったため、「もともと派遣サービスを提供する意思がなかった」と判断し、詐欺容疑を適用した。


 同店を巡っては、ネットにこんな被害が投稿されていた。
<ホテルへ入り少したつと、先お金下さいと男が部屋に来る(案内されたホテルは3500円)。まず指名料ついて、13000円と言われる。断るとまず11000円だけ回収される。話が違うと言うと、スペシャル素人なので36000円追加言われ、無いと答え押し問答が続くと無いなら持ち金全部出せと財布の中身全て取られる。で、結局女の子はこない、キャッチに引っかかった自分も悪いが、今までで最低の詐欺店です>(原文ママ)


「被害は昨年から急増していた。今回のように数万円程度の被害だと、被害申告で記録が残るのを嫌がったり、申告自体恥ずかしがって被害を訴えない人も多い」(前出の捜査事情通)


 金だけ巻き上げてドロンとは、悪質極まりない。


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