「調教してほしい」


 先月18日のこと。島根県益田市在住の30代男性が「X」を閲覧中、見知らぬ女性のアカウントからこんなメッセージが届いた。


 内容に興味をもった男性は、添付されたリンクからLINEにアクセス。アカウントを追加したところ、複数の女性の写真が送られてきた。男性が好みの女性を選択すると、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」をインストールするよう指示があった。「西野」と名乗る受付係からテレグラムで連絡があり、「ミオ」という女性のアカウントを紹介された。


■「カード作成費用」を皮切りに


 ミオとやりとりを続けるうちに、会う約束をした。男性は会えるのを楽しみにしていたが、ミオは「私と会うためには会員カードが必要」と条件を提示。男性が西野に「会員になるにはどうしたらいいか」と問い合わると、「カードの作成費用がかかります」と返事があり、5000円を請求された。男性は西野から送られてきたペイペイのアカウントに代金を送金した。


 金の要求はこれだけで終わらなかった。


「会員カードの有効化手続き費用」として3万円、「インターネットサイトの誤操作によるデータシステム修復費用」の名目で2回続けて各8万円を請求され、ペイペイで計4回、19万5000円を支払った。


 最初のメッセージから5日経った22日、前回同様、「データシステム修復費用」として、さらに100万円の支払いを求められ、ATMから振り込んだ。男性は総額119万5000円をだまし取られ、今月8日、被害届を出した。


「どうしても女性に会いたかったのか、相手の口車に乗せられ、つい払ってしまったようです。実は100万円を振り込んだ後、さらに300万円請求され、さすがに疑問を抱き、知人に相談した。『それって詐欺じゃないの』と指摘され、だまされたことに気付いた。内容が内容だけに、誰にも言えなかったのかもしれません」(捜査事情通)


 警察は<SNSで知り合っただけの人を簡単に信用しない><性別や年齢に関係なく誰でも被害に遭う可能性がある><会ったこともない人から振り込みを指示された場合は詐欺を疑うこと>と注意を呼びかけている。「調教」をエサに金をだまし取るとは、男のスケベ心につけ込んだ新手の詐欺だ。


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