【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】
そうなんです。じつは最近ずっとそんな状況が続いています。
そもそも特派員って不思議なお仕事です。世界のあちこちに海外支局があるんですが、ぶっちゃけ「毎日のように仕事をしなきゃいけない超多忙な支局」と「ほとんど日本で注目を集めるようなニュースが起きない支局」に大きく二分されるんです。
前者の代表格が、いまならワシントン・ニューヨーク・ロサンゼルスといった米国にある支局でしょうね。いまニュースに「トランプ大統領」と「大谷翔平選手」が出てこない日は「ない」と断言していいくらいですから、そうなると毎日のように在米支局が取材と中継をしないとニュースは回りません。取材のほうは、アメリカの放送局の素材を購入するという手もありますが、中継はぶっちゃけ「地獄のように大変」です。なにせ時差がヤバい。ほぼ「真逆」ですから、夕方や夜のニュースに中継しようとすると、ワケのわからない深夜から早朝に働かなきゃならないですもんね。あと、それほどではありませんが、アジアの北京とかソウルなんかもいま毎日のようにニュースの出稿があり、大変な支局だと思います。
■バンコク支局は世界で一番広いエリアをカバーする?
逆に「ほとんど日本で注目を集めるニュースが起きない支局」というと、代表格がバンコク・パリ・ロンドン・カイロじゃないでしょうか。
じつはバンコク・パリ・ロンドン・カイロにだいたい各局が支局を置いている理由は、「交通の便がいいから」なんですよね。近隣の諸国に取材に行くのに便利なんです。だからこれらの支局の特派員は、ほぼ「その国」にはいません。ずっと「いまホットな近隣諸国」にいるわけですよ。「ウクライナ」とか「パレスチナ」「イスラエル」あたりにいま行っているのはだいたい各局パリ・ロンドン・カイロあたりの特派員だと思います。あとモスクワですね。
そしてバンコク支局は「世界で最も広いエリアをカバーする支局」である場合が多いです。東南アジア・オセアニアはもちろん東アジアくらいから中東くらいまで。何かあればどこまでも飛んでいくイメージですね。いや、ホント海外特派員って大変なんです。
(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)
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