タチの悪い連中と、たまたまつながったばかりに、とんだ目に遭った。
SNSでダイレクトメッセージ(DM)を送ってきた20代の男性会社員を大阪府泉佐野市の公園に誘い出し、殴る蹴るの暴行を加えてスマホや財布を奪ったとして、大阪府警刑事特別捜査隊は、1日までに強盗傷害などの疑いで会社員の大屋圭吾(25)と妻で無職の恵里那(22)、アルバイトの三木田寿稀(22)、会社員の松本桐人(25)、無職の浜海斗(21)ら男女5容疑者を逮捕した。
被害男性は今年4月5日、友人がインスタグラムでフォローしている「友達」の中から大屋容疑者の嫁、恵里那容疑者を見つけた。目がクリッとしていて好みのタイプだったため、DMを送信。返信があり、後日、近くの公園で会うことになった。
4月8日午後11時20分、男性が車で公園を訪れると、恵里那容疑者がベンチにポツンと1人で座っていた。簡単な挨拶を交わし、公園内を散歩しながら男性が恵里那容疑者に話し掛けるも、ずっとスマホを見たままで素っ気ない態度だった。
「おかしいな」と思っていたところ、いきなり付近に隠れて待ち伏せしていた圭吾容疑者と三木田容疑者が飛び出してきて、「おまえ、コラ、調子に乗っとんちゃうぞ」と叫びながら襲いかかってきた。男性は抵抗も逃げる間もなく、その場で2人にフルボッコにされた。
「男性は首根っこをつかまれて松本が待つ車まで連れて行かれた。男3人に1時間にわたって拉致監禁され、車で連れ回された。その間、圭吾は瀕死の状態の男性からキャッシュカードの暗証番号を聞き出して、現場で待機していた恵里那に電話をかけ、『今からコンビニに行ってくれ』と指示した。恵里那は一緒にいた浜と無施錠だった男性の車のダッシュボードから財布や運転免許証を取り出し、ATMで現金を引き出そうとしたが、失敗した」(捜査事情通)
5人は男性の「後始末」をどうするか話し合うため、再び公園に集合。「山に放りに行こう」という結論に至り、約5キロ離れた「泉南阪南共立火葬場」に向かい、翌9日午前0時半ごろ、グッタリした男性を門扉の前に放置。
「季節は4月上旬で現地の気温は6度ほどだった。男性はパーカとズボンといった着の身着のままの姿で、その場に置き去りにされた。真っ暗な夜道をひたすら歩き続け、1時間半さまよいながら、約4キロ先にあった病院にようやくたどり着き、助けを求めた」(前出の捜査事情通)
男性は鼻骨骨折や頭部顔面打撲など全治1カ月の重傷を負った。「こりゃ、何だ」と驚いた病院側が警察に通報して発覚。男性が着用していた青色のパーカは血で真っ赤に染まっていた。
公園の防犯カメラには、圭吾容疑者と三木田容疑者が突然あらわれ、男性をボコる姿が一部始終写っていた。恵里那容疑者は男性に既婚者であることを知らせておらず、5人は男性から金品を奪うため、「美人局」を計画し、現場に集まっていたとみられる。
圭吾容疑者は介護施設で働いていたが、カタギがやるような所業ではない。