「警察に行けば職場や家庭にバレるぞ。警察を呼ぶぞ。
メンズエステ店の経営者らは男性客を脅し、数百人から1億円以上を巻き上げていた。
客から現金を脅し取ったとして、熊本県警熊本東署は7日、メンエス店経営の亀崎日向(23)と従業員の井上拓真(25)両容疑者を恐喝の疑いで再逮捕した。
2人は昨年11月~今年8月にかけ、岡山、鹿児島、熊本など西日本各地を転々としながら、店舗を借りてメンエス店を違法に営業。昨年12月、熊本市のマンションの一室で男性公務員(44)に「施術中の女性従業員の体を触っただろ」と因縁をつけて、現金100万円を脅し取った。
「客は入店すると誓約書にサインをさせられ、股間を覆うだけの紙製の紐パンツ1枚に着替えます。エステ嬢の服装は、オプション料金で下着やネグリジェ姿を選ぶよう勧められます。施術が始まると、エステ嬢は体をピタッと密着させ、鼠径部などギリギリの部分を攻め、たまたま当たったふりをして男性器に手を触れて欲情させる。興奮して我慢できなくなった男性客が手を伸ばして、エステ嬢の胸や尻をタッチしたら、即アウトです。その瞬間、エステ嬢から連絡を受けた男らが現れ、『お客さん、触ったでしょう』と言いがかりをつけ、現金を要求していた。店舗には10人以上のエステ嬢が所属していたが、なかなか誘いに乗ってこない男性客もいたため、男らは『もっと客を興奮させろ』『まだまだ足りない』と厳しく指導していた」(捜査事情通)
店は最初から現金を脅し取る目的でエステ専用サイトに広告を掲載して客を集めていた。店のHPに住所は記載されておらず、客は電話で店の場所を伝えられていた。経営者の男は他人名義でマンションを借り、3カ月ほど経つと、アシがつかないよう家賃を滞納したまま、トンズラ。
「支払い能力がある客には示談金として100万円を請求し、用意できない客からはありったけの現金をむしり取っていた。相手の懐次第だった。消費者金融から借りさせたり、ローンを組ませて無理やり支払わせるケースもあった。100万円という設定は個人で支払える微妙な金額です。それで会社や家族にバレなければ仕方ないと、泣き寝入りしているケースもかなりある。県外から出張で立ち寄った際に利用し、被害に遭った男性客もいて、同様の被害が30件以上寄せられている。経営者から押収したスマホには、日々の売上金額がメモデータとして残され、総額1億円以上になる」(前出の捜査事情通)
メンエス店をめぐっては、全国各地でこの手の恐喝事件が後を絶たない。男のスケベ心と負い目につけ込んだ卑劣な手口だ。