【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#266
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日本中で今や「爆笑問題」の太田君と田中君の2人を知らない人はいないでしょう。もう30年近く前、NHK大阪のお笑い特番で市民会館で行われた公開収録に出演しました。
私が構成者として呼ばれた時には、すでに出演が確定していて、個人的には楽しみでした。でも観客は1000人を超える関西人。しかも年齢層も高かったので、テンポが速く、アクも強い、しかも大阪弁でない2人の漫才がどこまで通用するのか興味がありました。当時はまだ若手だったので、出番は早いのが普通ですが(放送では早い登場になっていたかと思いますが)、オセロと共に中盤に「若手ブロック」をつくって、会場が温まってからの出番にしたように記憶しています。
楽屋入りすると、ハチャメチャな太田君も深々と頭を下げて礼儀正しい一面が垣間見えました。
「(お客さんの)年齢層が高いんで、ちょっとテンポを落とした方がいいかもしれへんね」と言うと、「そうですか……気持ちゆっくりめがいいですかね。でも、テレビを見てくれる人も多いですもんね」と目の前の観客のことだけでなく視聴者のことも真剣に考える姿を見て“この子たちはもっともっと売れていくな”と感じました。
そして持ち時間5分の本番。舞台は予想通り大きなウケにはなりませんでしたが、おもしろい、おもしろくない以前に“言葉の壁”も大きかったようでした。
袖に下りてきた太田君が顔をしかめながら「やっぱり厳しかったですね。どうでした?」と聞くので「お客さんが(言葉の違いに)ちょっととまどったかもしれへんね。けど、爆笑(問題)らしさは出てた思うよ」「そうっすか、また勉強してきます。
爆笑問題といえば時事ネタ。私は、もっと深く掘っていけばより風刺の効いたネタになるのに、と考えていましたが、「世相風刺」というよりも、タイムリーなニュース・話題をよりわかりやすくおもしろく聞かせる、つかみとして使っているんだ、ということにだんだんと気づきました。
「とにかくおもしろいことを言いたい」という漫才の原点の気持ちを前面に出しているから、何十年という時が流れてもその時代の若者にも支持をされるのでしょう。時事ネタをつかみにしながら太田君の奇想天外な展開と言葉の選び方、それに田中君の的を射たツッコミが、きわどい素材でも巧みなワードセンスでネタに落とし込んで爆笑問題以外のコンビではネタにできない形をきっちり確立している凄さを感じます。
私同様と言えばおこがましいですが、本当に漫才が好きなんだろうなぁと思います。機会があればじっくり「漫才」についてしゃべってみたい2人です。
(本多正識/漫才作家)

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