【2025秋ドラマ 注目美女の魅力と素顔】#8


 樋口日奈
 (「できても、できなくても」/テレビ東京系)


  ◇  ◇  ◇


 乃木坂46の卒業生からは生田絵梨花齋藤飛鳥白石麻衣西野七瀬山下美月といった、グループのセンターを担っていた、おなじみの人気女優だけでなく、いろんなタイプの女優が生まれ、主演級で活躍している。


 忘れてはならない乃木坂46出身の逸材としては、伊藤万理華、樋口日奈、能條愛未若月佑美らが挙げられる(能條愛未は11月10日に歌舞伎俳優中村橋之助との婚約を金屏風の前で発表した)。

いずれもシブめで通好みの女優だが、彼女たちを輩出したことは、乃木坂46の大きな功績と言っていい。


 このうち、樋口日奈は、今秋、元TBSアナウンサー宇垣美里が主演するドラマ「できても、できなくても」(テレビ東京系・毎週木曜深夜0時30分~)でメインキャストのひとりを演じている。建設会社で働く主人公の幸せを邪魔してくる後輩社員、という役だ。


 1998年1月31日生まれ、東京都出身。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格して加入。2022年に卒業するまでに発売された30枚のシングル表題曲で選抜メンバーに選ばれたのは8回だけだが、アンダーライブという選抜以外のメンバーによるコンサートでリーダーシップを取って、後輩メンバーから慕われていた。


 乃木坂46時代、グループのメンバー個別のインタビュー取材で、樋口日奈を担当する機会が割と多かった。素直な言葉で自分の気持ちを表現してくれるので、彼女にインタビューするのは楽しかった。


 取材の中で「自分から輝ける人もいますけど、私は輝かせてもらわないと見つけていただけない人だったのかな」(「日経エンタテインメント!アイドルSpecial2017」2017年2月発売)と語っていたのが、印象に残っている。謙虚な性格がよくわかる言葉だと思う。


 ソロで女優として活躍するようになってからも、彼女にふさわしい作品と役との出会いによって、光を与えられてより輝く月のような女優として、着実に歩んでいる。


 2024年夏に「初恋不倫~この恋を初恋と呼んでいいですか~」(BSテレビ東京)で連ドラ初主演。

今年1月には、多くの芸人を見いだしてきた元テレビ東京・佐久間宣行がプロデュースしたドラマ「ノロイヲアゲル」(テレビ東京系)で主演した。


 今はまだ知名度が高くないので、もっとたくさんの人に知ってほしい女優だ。今秋のドラマで、彼女の演技の深煎りコーヒーのような味わいを感じてほしい。


(高倉文紀/女優・男優評論家)


編集部おすすめ