【2025秋ドラマ 注目美女の魅力と素顔】#10


 サーヤ(ラランド)


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 最近の連ドラはお笑い芸人の起用が目立っているが、夏帆と竹内涼真のダブル主演による「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS系・毎週火曜午後10時~)にはラランドのサーヤが出演している。


 彼女が演じるのは、鮎美(夏帆)をたまたま担当したことから仲良くなった美容師の吉井渚役。

知り合ってすぐに鮎美のことを「鮎メロ」と呼んで当惑させるが、一時は夫を含め3人で同居して、鮎美の価値観の変化に大きな影響を与えた。


 SNS上で話題を集めている快作だが、サーヤは勝男(竹内)の同僚・南川あみな役の杏花(かつて芳根京子が連ドラ初主演した「表参道高校合唱部!」にピアノ伴奏担当の合唱部員役で出演)と並んで、助演女優賞ものの好演を見せている。


 サーヤは1995年12月13日生まれ、東京都出身。7歳まで子役として活動。大学在学中にニシダとお笑いコンビ「ラランド」を結成。アマチュアながら(サーヤは広告代理店に勤務)、M-1グランプリ2019で準決勝に進出。2021年にはラランドの個人事務所「レモンジャム」を立ち上げ、代表取締役社長に就任した。


 ドラマ出演も多く、「わたしの一番最悪なともだち」(NHK)、「新空港占拠」(日本テレビ系)にも出演した。


 今回のドラマの役作りについて、サーヤは公式インタビューで「しゃべってるだけで、その人の空気になる人っているじゃないですか。例えば、小学校の昼休みに真っ先にボールを持って『ドッジボールしに行くぞ!』と言うような(笑)。そういうリーダーシップを意識して作りました」と語っている。


 登場するだけで空気が変わる存在感という点では、サーヤ自身のアイコン的な、どこにいても目立つ魅力に通じる。

また、渚役をイエローブロンドにグリーンが交じった個性的な髪色で演じていて、ふだんから金髪や青髪にしてサーヤのトレードマークにもなっている髪色のインパクトを生かした役柄だと言える。


 しかし、見た目はサーヤっぽくても、渚は確実にサーヤとは違う。それをしっかりと表現しているところに、彼女の演技力を感じる。


 もしも姿がそっくりな「パラレルワールドのサーヤ」が存在するなら、プロフィルが正反対で「7歳で子どもお笑いタレントをやめて、大学在学中に女優コンテストで注目を集め、個人事務所オレンジママレードを設立してドラマで活躍」しているかもしれない。そんなパラレルな彼女にも、会ってみたい気がする。


(高倉文紀/女優・男優評論家)


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