ファストフード店の元アルバイト店員は、通りすがりの人々に次々とイチャモンをつけ、数千円から数万円単位の詐欺行為を繰り返していた。


 大阪府警都島署は26日、大阪市都島区の路上などで現金をだまし取ろうとしたとして、無職の大和直輝容疑者(35)を詐欺未遂の疑いで逮捕した。


 大和容疑者は今年6月21日午後6時30分ごろ、区内の宅配ピザ店を訪れ、「バイクで配達の子が店の前の歩道を通行してて、それが当たって右ヒジが痛い。病院代と交通費はどうすんねん」と因縁をつけ、1万円を要求。店長がオーナーに報告したところ、「事故やったら、まず警察に届け出せえ」と言われ、通報。警察が付近の防犯カメラの画像を調べた結果、バイクが歩道を走行した事実はなかった。


 2日後の6月23日午後7時20分ごろ、大和容疑者は同区内の歩道で立ち小便をしようとしていた70代男性を見つけると、そばに駆け寄り「オシッコがかかった。警察に電話すんで。クリーニング代とおじさんの気持ちを見せてよ」と、言いがかりをつけた。男性は「いや、まだしてへんけど」と言い返し、トラブルになった。


 大和容疑者は自身の通報で駆け付けた警察官に「男性の小便が私の左足と左の靴にかかった。ズボンのクリーニング代と靴を弁償して欲しい」と虚偽の申告をした。


 当初は「ションベンがかかっているので虚偽は納得できない」と言い張っていたが、その後の調べで「これをネタにお金を取ってやろうと思った。オシッコがかかっていようがいまいが、イラついてこのような行動に出た。

全部、ウソでした」と容疑を認めた。ズボンから尿の成分は検出されなかった。


「大和は6月初旬ごろにも、歩きたばこが禁止されている都島区内で喫煙しながら歩いていた男性に対し、すれ違いざま『たばこの火が腕に当たった』と難癖をつけ、治療費と自宅までの交通費を要求。その時は警察を呼ばずに示談して、2人から3000円と1万円を受け取っていた。市内では『車のミラーが当たった』と言われた運転手が揉めた末、1万円程度を支払う事案も発生し、関連を調べていた。宅配ピザのバイクと立ち小便の件については虚偽であることが判明した。大和は以前、大阪市内で自転車とぶつかり、事故扱いとなった際、相手から3000円もらったことがあった。それで味を占め、一連の犯行に及んだとみています」(捜査事情通)


 大和容疑者は定職にも就かず、ブラブラしながらアルバイトで食いつないでいたようだが、こんな「当たり屋」には要注意だ。


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