【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】
大晦日の“風物詩”NHK紅白歌合戦の出場歌手が発表されて2週間が過ぎているが、AKB48の追加のみで白組の男性歌手・グループが4組足りないままの状態が続いている。
つまり、年末に近づくにつれ“今年の目玉はこれだ”と大々的に伝えたいわけで、その出場者が「嵐ではないか」といった話がチラホラ出ている。
僕も、今年の目玉は嵐に違いないと思っている。旧ジャニーズ問題でその所属だったグループが出演できない状態だったが、今年はKing & Princeの出場が明らかにされている。ということは、旧ジャニーズからSTARTO ENTERTAINMENTに移籍したグループは解禁されたということで、当然、同じ事務所の嵐もOKということになる。また来年5月で活動を終了すると決めているので、嵐としても最後の紅白になるわけで、彼らの出場こそがサプライズの目玉になる。
NHKは常に「視聴率は問題にしない」「幅広い年齢層がみんなで楽しめる紅白をつくっていく」と標榜してきた。いわば大晦日の一家だんらんを目的にしているのだが、現状はどのアーティストがどの時間帯に出演するかタイムテーブルが事前にわかっているので、若い層は自分の好きなアーティストが出るところだけを見てしまえば、後は自室でスマホをいじっているというのが普通になってしまった。
だからこそ、嵐の存在が重要なのだ。視聴率が上昇する時間帯に彼らを配置するのはもちろん、何度も紅白の司会を担当してきた彼らが、「今度も司会のお手伝いをする」とすれば、放送のどの部分に出てくるのか判然とせず、ファンは番組全部にかじりつくことになる。
すでに特別枠として堺正章の出場がわかっており、高年齢層への対策は万全。そこに嵐とくれば40代以上、いや30代から上の世代はもう手に入れたも同然だ。さらに若い人たちに人気のアーティストを散らばせていけば、今年の紅白は大成功というもくろみだろう。
ただ、いつも思うのだが、今の時代、男女を分けた紅白というスタイルははっきり言って時代遅れだし、その内容の大変革が必要な時期だ。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)

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