【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】
そういう意味ではまさに「いま」が復活のタイミングなのでしょうね。たくさんの「往年のバラエティ番組」が年末年始特番になってますよね。
業界内部的な事情でいうと、いま業界の「長老たち」が若い頃に作っていた番組がまさに復活しているわけです。特番の決定権者である局の上層部も「自分がやっていた番組」だからオッケーしやすいわけですし、番組制作現場のノウハウもいまなら長老たちが教えてくれます。もう少ししたら復活したくても誰もいなくなってしまいますからね。
視聴者的にも「いまテレビを一番見てくれる中高年層」にとっては非常に懐かしい番組ですから見てくれる可能性が高いでしょうし、若年層にとっても「レトロで面白い」と思ってワンチャンみてくれるかもというので、「お茶の間みんなでテレビを見る時期」とされる年末年始特番には、往年のバラエティ番組がちょうどピッタリだろう、というので復活してるのだと思います。まあ、紅白歌合戦でのNHKの迷走っぷりを見ればわかるように、「全年齢層が揃って盛り上がれるテレビ」というのはなかなか難しいと思いますが。
■かつての出演者もギリギリ出てもらえる?
そして、もうひとつの側面から言うと、いま復活している『炎のチャレンジャー』あたりの番組のフォーマットって、「テレビが輝いていた最後の時期の人気バラエティ」ですから、言ってみれば「一番テレビらしくて、素直で力強いよくできた企画」なんですよね。毎週レギュラーでやるのにはちょっとどうかな? と思う感じですが、特番として見るのなら素直に面白がれる「いい番組」なんです。一から特番の新企画を考えて作ってヒットさせるのは至難の業ですし、最近の番組のスペシャルだとそんなに「スペシャル感」がない。だから「制作ノウハウが教えてもらえて比較的簡単に制作できて、スペシャル感があって、単純に面白い」というので「復活特番」が多くなるのでしょう。
キャスティング的にも、まだギリギリ「かつてのメイン出演者」が現役で喜んで出てくれそうですし、若い芸人さんたちにチェンジしてやるにしても、いまの人気芸人さんたちが「かつて憧れて見ていた番組です」というので、喜んで出てくれる。いろんな意味で制作者にとっても視聴者にとっても出演者にとっても「やりやすい年末年始特番」が「復活特番」なんだ、と言えるんだと思いますね。
(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)
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