【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】


 前回のコラムで元TOKIO国分太一(51)の無期限活動休止の問題を取り上げ、しばらく間をおいてからファン主催の格好で「同窓会ライブ」をやれば、大きな反響があるし、その後の活動も見えてくるのではないかと書いた。脱退した山口達也(53)や長瀬智也(47)も呼べば話題性も強まる。


 同窓会ライブという言い方は、引退してしまったアーティストが、ファンの集いみたいな格好で昔のコアなファンを呼んで交流するということで、何でも可能なイベント方式だと思っている。


 実は、芸能界を引退して裏方に徹しているタッキーこと滝沢秀明さんもまんざらではない様子だった。現在は芸能プロダクション「TOBE」代表として音楽プロデュースや演出家として活躍しているが、「もう表舞台に立つことはない」と言い切った最後の取材時に、僕が「10年くらい経ってから往年のファンと同窓会的なライブなんかやったらどうですか?」と尋ねたところ、満面の笑みを浮かべて「同窓会、いいですね。それは考えようかな」と話していたのだ。


 同窓会というのは、あるグループのファンから聞いた言葉だった。それは同門の先輩であるフォーリーブスのファンだ。彼らは1967年から活動して大人気となり、11年後の78年に解散した。しかし、24年の時を経て2002年に再結成。当初は1年限定で始めたコンサート活動だったが、全国各地が満員の大盛況で、1年が2年、2年が3年と延び、結局、メンバーの青山孝史さんが09年に死去、続いて北公次さんも12年に亡くなるまで続いた。


 そんな彼らの復活コンサートに行ってみると、昔のヒット曲を次々歌っては踊る。北公次は河原の土手で練習をしたというバック転を見事にやってのけるほど。さすがに江木俊夫は薄い頭で、ゼイゼイハァハァだったが、これもご愛敬。

詰めかけたファンも息を切らせていたからだ。


 そのファン層は50代を中心にした中年女性。全員が着飾って香水たっぷりでジャンプしまくっていたので、フロアは凄い匂いにあふれていた。


 2年ほど経って、新幹線で江木に会うと、シャキッと細身になり、なぜか髪も増えていた。本人いわく、「コンサートを続けると体が動くようになるし、植毛もしたから……」と。僕は「詐欺ですね」と笑ったが、ふと見ると複数の“追っかけオバチャン”がついてきていた。そんな女性ファンに聞いてみたら、「同窓会なのよ。あの時代に戻れるのよ」と、とてもうれしそうだった。国分太一にもそんな時がきっとくるはずだ。


(城下尊之/芸能ジャーナリスト)


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