のん(32)が民放連続ドラマにレギュラーとして実に13年半ぶりに出演することが決まり注目を集めている。ドラマの原作、脚本、監督を「極楽とんぼ」の加藤浩次(56)が担当し、主演はtimeleszの菊池風磨(30)が務める。

“前代未聞の密室コメディー&ヒーロードラマ”「こちら予備自衛英雄補?!」(中京テレビ日本テレビ系)が来年1月8日の午前0時24分からの“水曜プラチナイト”枠でスタートする予定だ。


 SNSには《のん、おかえり! この日が来るのをずっと待ち焦がれていたよ~》とか《女優として成長した姿を見るのが、今から本当に楽しみでなりません》といった歓喜の声であふれ返っている。確かに2013年度前期のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒロインが所属事務所からの独立トラブルで16年に「のん」に改名後のエポックメーキングなのだが、テレビ関係者は「まだまだ予断を許さない……」とこう語る。


「ドラマの制作はローカル局、放送時間は平日深夜枠という極めて微妙なシチュエーションです。菊池風磨のネームバリューだけでリアルタイム視聴者を呼び込めるのか。見逃し無料配信数の伸びに期待するしかないドラマとも表現でき、華々しい地上波連ドラ復帰と言うには少し寂しすぎます」


 のんが能年玲奈として出演した「あまちゃん」は平均視聴率20.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、「じぇじぇじぇ」は流行語大賞も受賞した。その頃と比べて潜在的視聴率はどれくらいなのか。


「ドラマを含めた地上波テレビそのものが苦戦しているため、単純比較が難しいのですが、当時の勢いは見る影もありません。象徴的なのは13年ぶりに地上波連ドラ出演となった今年4月27日放送のTBS系日曜劇場『キャスター』でしょう。第3話だけのサプライズ出演はテレビ、新聞等で大きく報道されましたが、視聴率は前話から約1ポイントダウン、第1話からは3ポイントも落としました。勇気を持ってキャスティングしたTBS系日曜劇場スタッフにとっては肩を落とす結果となってしまいました」(前出のテレビ関係者)


■視聴者が求めるキラキラした「あまちゃん」のイメージ


「あまちゃん」に視聴者が夢中になったのは、キラキラとしたピュアな、“小さな田舎の地元アイドルによる村おこし”という発想を元気いっぱい演じた20歳そこそこのヒロインだった。「能年玲奈」が表舞台から消えて十余年、キャリアを積んで演技力や表現力は更に増したのかもしれないが、やはりウワサも含めたネガティブなイメージがつきまとう“訳あり女優”のレッテルは今後もついて回ると想定できる。


「この13年半ぶりの連ドラ出演に、ミソギは済んだと解釈する向きも少なくないようですが、地上波キー局の反応はいまだ極めて冷静です。これを機に地上波出演は続くかもしれませんが、扱いは一過性か“その他大勢”で“ゴールデンタイムの主演出演は永遠にない”というのが、関係者の共通意識です。『あまちゃん』が良かっただけに、そのイメージを払拭するのはなかなか難しいでしょうね……」(前出のテレビ関係者)


「あまちゃん」の成功と独立騒動……。光と影を背負ったのんが完全復活を遂げるのはいつになるのか。


(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)


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