アドリブ国会答弁で中国との関係をムダに険悪にし、2025年度補正予算でインフレ加速の財政出動をする。高市首相のやることなすこと、「強い経済」とも「強い外交・安保」とも逆行するのに、内閣支持率は絶好調だ。

自民党の政党支持率も悪くない。足元では情勢調査がフル回転で実施されている。早期の衆院解散・総選挙に打って出るのか。高市首相が繰り返し否定しても勘繰りが消えない中、盟友の一言が臆測を広げている。


 高市氏の「ガラスの天井」破りを支えた自民の古屋圭司選対委員長が21日、お膝元の岐阜県中津川市で講演。解散をめぐり、「あらゆる可能性を考えている。高市総理大臣は『仕事師』だ。通常国会で思い入れの強い政策で成果を上げ、国民から評価され、最も良いタイミングで打って出るだろう」と言及し、宙に浮く小選挙区の公認候補予定者選定を急ぐとした。通常国会については「おそらく1月23日に開会、26日から実質審議が始まると思う」とも言っていた。


 古屋氏の発言を素直に読めば、26年度予算成立がひとつの節目。高市首相は一般会計の総額が120兆円超となる過去最大の予算案を26日に閣議決定する予定だ。予算成立後の4月解散をにらむのか。



懸念される体調

「解散が近くないからこそペラッとしゃべったのでしょう。見ての通り、総理の体調は芳しくない。気を張ってはいるものの、この2カ月ですっかりやつれた。〈解散について考える暇がない〉というのは決して方便ではなく、総選挙を持ちこたえられるか不透明です。下手に解散を打てば、何もやらなかった女性初総理になりかねない。それで、政策実行に躍起になっている。それに、維新との選挙区調整もどうなるか分からない」(自民ベテラン)


 やっぱり「ワークライフバランス」は捨てちゃいけない。


 一方、与党入りにあたって従来の主張を曲げた日本維新の会は「政治改革のセンターピン」とか言ってブチ上げた衆院定数削減が実現しなくても、当面は政権に居残るようだ。代表の吉村洋文大阪府知事は20日の会見で「(関連法案が)成立しないからといって連立離脱かというと、それは違うのではないか」と軌道修正。地元メディアの取材に「高市さんと接している限りでは、解散する気は全くないのだろうと感じます。政策実現にすごく重きを置かれているので」とクギを刺していた。


「藤田共同代表の公金還流疑惑にしろ、問題山積の維新は早期解散で議席減が確実。

ええかっこしても、簡単に許すわけがない」(自民中堅)


「首相は解散と公定歩合については嘘をついてもいい」というのが政界の定説ではあるが、「解散は言うはやすく行うは難し」もまたしかりだ。


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