長年、「芸能界のご意見番」という地位で活躍してきた和田アキ子(75)。近年、SNS上でその言動が批判され、唯一のテレビのレギュラー「アッコにおまかせ!」(TBS系)も来年3月で終了となる。
「ここ数年、本人にとって、生放送の『おまかせ!』は体力面だけでなく、精神面でもつらかったでしょう。番組での発言が明らかにトーンダウンしていた。アッコさんとすれば、求められたことを演じてきたのに、急にその振る舞いを否定され始め、戸惑ったのでは」(テレビ局関係者)
デビュー以来所属するホリプロにとって、昭和の後半から「芸能界のご意見番」の役割を担ってくれた“ゴッド姉ちゃん”は大功労者である。
「山口百恵さんが引退すると、ホリプロは低迷期に入ります。堀威夫社長(当時)は1人の売り上げに頼ると会社が潰れると考えていた。そのため、百恵さんの売り上げもホリプロ全体の25%に抑えており、倒産しないで済みましたが、経営が苦しくなったのは間違いありません」(芸能記者=以下同)
1960年創業の堀プロダクション(現・ホリプロ)は歌手を中心に売り出し、音楽出版社の収入を柱としていた。「オリコン年鑑」によれば、百恵さんの「プレイバックPart2」「いい日旅立ち」などがヒットした78年、ホリプロ所属歌手の総売り上げ枚数は302.8万枚で芸能界3位だった。
■山口百恵の引退で音楽事業の売上げが6分の1程度に激減
「百恵さんが引退する80年まではベストテンに入っていましたが、翌年から圏外になり、82年には55万枚(19位)にまで落ち込みました。4年前の6分の1程度です。音楽事業の稼ぎが落ちた事務所を救ったのがアッコさんでした」
和田は73年、「金曜10時!うわさのチャンネル!!」(日本テレビ系)にレギュラー出演。男勝りの体格と歯に衣着せぬ言動が話題となり、バラエティー界で人気を得る。だが、歌手活動に精を出すため、78年に同番組を降板。
「昭和40年代から事務所内に『ホリ企画制作』がありましたが、冠番組を持てるアッコさんがいたから、制作としても番組に関わりやすくなり、会社の利益が上がった。アイドルで売り出すはずの井森美幸や山瀬まみがバラエティーでブレークしたのも、アッコさんがいろんな番組で司会をしていたから、売り込むチャンスが広がった」
ホリプロでは86年8月に森昌子、87年3月に堀ちえみが引退。苦しい状態の事務所で、アッコは獅子奮迅の働きを見せた。
「長者番付(高額納税者公示制度)でこの頃のアッコさんの納税額を見ると、87年の1260万円、92年の1266万円があるだけで、それ以外の年(85年~91年、93年)は公示すらされていません。バラエティーやCMなど毎日テレビで見るほど活躍していたのに、他の芸能人と比べ、かなりの低賃金で働いていたわけです。アッコさんは10代の時、大阪のジャズ喫茶で歌っていたところを堀威夫社長に拾ってもらった。その恩返しをしていたのでは」
何かと叩かれがちな和田だが、会社のために身を粉にして働いた男の中の男……ならぬ女だった。
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和田アキ子は“給料制”なのにホリプロの後輩、山口百恵にダブルスコアで金額に差をつけられていた。「和田アキ子とお金」をナゾに迫る記事もあわせて読みたい。

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