相変わらず、迷走中だ。農水省は24日まで3日間連続で「おこめ券」に関する自治体向けのオンライン説明会を開催。
おこめ券配布は、鈴木憲和農相の肝いり政策。物価高対策の中でも、特に米価高騰に対処するために打ち出した。具体的には、自治体が自由に使途を決められる重点支援地方交付金で、同券配布が推奨メニューに位置づけられている。
しかし、おこめ券配布は経費率の高さなどが問題視され、代わりにプレミアム商品券などを選ぶ自治体が相次いでいる。
「鈴木農相が『おこめ券はコメ以外にも使える』と発言するなど、当初の米価高騰対策の目的からもブレています。22日の説明会では、自治体から『交付金を水道無償化や現金給付に使えるか』との質問さえ出ました。本来なら農水省の管轄外の質問で、政策の迷走ぶりを表している。農水省も悪評をかわすため、『あくまで推奨』と逃げ道をつくるばかりです」(農水省担当記者)
毎日新聞の世論調査(20~21日実施)によると、交付金の使途に望むものとして「おこめ券」の回答はわずか8%。「おこめ券以外」が82%だった。
「強まる批判の対応に追われてすっかり疲弊し、『責任は大臣にある』との声も聞かれます」(前出の農水省担当記者)
■「私がごり押ししているわけでもない」
当の鈴木農相は、おこめ券配布に逃げ腰の姿勢を強めている。説明会のあった22日の会見では、「スピード感のある対応ができている」と自賛する一方で、「私がごり押ししているわけでも全くない」と付け加えた。言い出しっぺが、もはや他人事のような感覚だ。
就任時に農水官僚を集め「(農政の)全責任は私が背負います」と訓示した鈴木農相。だったら官僚に任せず、おこめ券バッシングの先頭に立ち、自ら配布のメリットを自治体に説明すべきだ。
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