テレビ局の“深い反省”とは何だったのか。故ジャニー喜多川氏の性加害問題がマスメディアでも報道されてから2年が経つ。

現在も関連裁判は続いているが、報道は下火になっている。12月17日にはSTARTO ENTERTAINMENT社と元ジャニーズJr.の飯田恭平さん(38)の裁判が横浜地裁で行われたが、24日現在、テレビでは報じられていない。


「2年前、各テレビ局は旧ジャニーズ事務所に対しての報道姿勢を検証し、特別番組を放送しましたよね。どの局も、反省の弁を繰り返し述べていました。それなのに、また報道量が減っています。これから、ますます減る一方でしょう。マスメディアは一度、大きな問題を起こした団体をチェックし続けないといけないはずです」(週刊誌記者=以下同)


 たとえば、旧統一教会の問題は、著名人が合同結婚式に参加した1990年代、ワイドショーで毎日のように取り上げられていた。その頃、高額な献金なども問題視されていた。その後、パッタリと報道がなくなり、献金問題などは消滅したかと思われていた。しかし、実際には続いていた。


「テレビが報道を続けていれば、危うさに気付き、難を逃れた人もいたでしょう。マスメディアには、監視機能が求められている。

ジャニーズ問題も報じ続ける責務がある」


 50年以上も性加害を続けたとされるジャニー氏がこの世から姿を消したからといって、安心できると言い切れる根拠はどこにもない。


「テレビ全般に言えることですが、目の前の派手に見えるニュースばかりを追い、地道に取材を続けるケースが少ない。飯田さんの裁判にしても、公判初日は報じている局もありましたが、続けて追わないと分からないことがたくさんある。いっとき、全局が異常なほど報じて、時間が経つと全く報じなくなる。このパターンをやめるべきです」


 2年前、外部専門家による再発防止特別チームは、ジャニー氏の性加害が終息しなかった原因の1つに「マスメディアの沈黙」を挙げた。


「報道番組や情報番組に事務所のタレントが出演していれば、忖度して都合の悪いニュースを扱わなくなる。テレビ各局の社員は『自社に出演してくれなくなるかもしれない』という気持ちがあり、報道に及び腰になったと検証番組などで認めていた。その忖度がジャニー氏の性加害を加速させたわけです。この問題を受け、少年隊東山紀之TOKIO城島茂がキャスターを務めていたテレビ朝日の情報番組は終わりました。しかし、日本テレビは今も櫻井翔を『news zero』、そして“ポスト櫻井”のような形でSnow Manの阿部亮平を『ZIP!』で起用しています。これでは、昔と何も変わっていない。今はまだ2年前の余韻が残っていますけど、また元の体質に戻るでしょう。

だって、忖度が起こった構造を変えていないわけですから」


 時間が経てば、世間は忘れる……と甘く見ているのだろうか。
  
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 2年前に大騒ぎとなったジャニー喜多川氏の性加害問題。「自分も忘れてしまった」というなら、関連記事を要チェックだ。


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