自維連立政権の「ジレンマ」が肥大化している。来年1月の大阪・貝塚市長選(18日告示・25日投開票)を巡り、自民党大阪府連が新人の元市議の推薦を決定。
「再選を目指す現職市長は前回、維新公認で初当選。しかし報酬2割カットの公約を実現できず、『身を切る改革』の方針に反したとして8月、維新から除名処分を受けた。対立候補として維新は元府議を立て、現職との激突に持ち込んだ直後、自民の邪魔が入った形です」(大阪府政関係者)
府連会長に就いたばかりの松川るい参院議員は「勝利を目指して自民党として応援する。国政での連立は関係ない」と強調し、闘志メラメラだ。
■国保逃れに、副首都構想…
そもそも維新の本拠地・大阪で自民府連は長年、維新と激しく対立。府議会で維新の「国保逃れ」疑惑を追及したのも自民府議だ。維新が推進する看板政策の大阪・副首都構想にも、自民府連は難色を示し、国政での連立合意後も大阪での対立は収まるどころか、過熱の一途。まるで制御が利かず「治外法権」状態である。
国政に目を移しても、維新が「改革のセンターピン」に掲げる衆院の定数削減を巡り、自民との間に「すきま風」が吹く。そんな中、自民の古屋選対委員長が、仮に来年の通常国会で定数削減法案が成立しても「次の衆院選を新たな定数で実施するのは難しい」との見解を示した。
自民党内では、新区割り決定まで時の首相の「専権事項」とされる衆院解散権の行使に制限を負わせず「高市総理にフリーハンドを与える発言」と解釈されているが、こんな見方もある。
「定数削減がまとまらないうちの解散もあり得る。その場合、維新との選挙区調整は下火のまま、選挙戦に突入するでしょう。自民が大勝して単独過半数を回復すれば維新は用済み。連立解消で、党内でも反発の強い定数削減は雲散霧消です」(自民党関係者)
自民が単独過半数を得るには、大阪のテコ入れは不可欠だ。前回は候補を擁立した府内15の小選挙区で全敗。少数与党に陥った苦境から脱するには、大阪の失地奪回が近道ではある。そのため、今後も府連の意向を無視するわけにもいかない。つまり治外法権はますます顕在化し、連立維持の「アキレス腱」となりかねないのだ。
しょせん自民と維新の連立は野合の数合わせ。深まる矛盾は当然の帰結である。
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維新の国保逃れ疑惑に関しては、【もっと読む】【さらに読む】でも詳しく報じている。





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