「えっとそうですね。あのその前に皆さんにちょっとご報告をしなきゃならないことがありまして…」


 12月29日、大みそかの第76回NHK紅白歌合戦のリハーサル2日目が東京・渋谷のNHKホールで行われ、郷ひろみ(70)から突然の「勇退」発表があった。

NHKからの代表質問で「今年の紅白にかける意気込みをお願いします」と向けられた郷は冒頭のように語り出し、ちょっと周りを見渡してから、こう続けた。


「今回をもってひと区切り付けたいと思っています。僕が出演させていただくことで、そういう機会をいただいた皆様、そしてそれを応援してくださった皆さんに心から感謝いたします」


 1973年の初出場で「男の子女の子」を歌って以来、紅白のステージは出場38回目、歴代7位、白組では5位という“レジェンド”。会場がザワつく中、大きな決断をした胸中を聞かれ、こう打ち明けた。


「本当に紅白歌合戦というのは、僕にとって、特別なステージなんですよね。挑戦でもあり、自分が成長できる場であったと思うんです。そして、僕自身がそういうふうに感じたように、これから若い人たちが同じような気持ちで挑戦し続けてほしいって思ったんです。それが僕にできることかなって。そうやって若いアーティストの皆さんの後押しをするという」


■後進に道を譲るという、古稀を迎えての大決断


 郷は今年10月18日の誕生日で古稀を迎えたばかり。そのあたりを聞かれると、頷いて「本当に自分がこう70になってみて、そういう節目っていうのが今年かなっていうふうに思って」と答えた。「勇退」決意は郷から紅白スタッフに伝え、話し合いを重ねたそうだ。


「まあ、でもね、紅白歌合戦のステージは最後なんですけど、郷ひろみとしては終わるわけではなくて、情熱は全く消えないんで、これからもファンの皆さんと同じ景色を眺めていきたいなっていう風に思っています」


 紅白カラーでの登場を指摘されて嬉しそうに微笑み、ことし1年を漢字一文字でとのリクエストにこう応えた。


「再来年が僕がデビューしてから55年になるんですよね。自分の中ではポップ、ステップ、ジャンプっていう風にあの位置づけてるんですよね。だからそうだな、漢字一文字どってのは、動く、動く。まだまだ動くっていうことも込めて、原動力とかないろんな意味があるんですけども、動くっていう『動』っていうのはどうでしょうか」


 漢字一文字で今年を表現する際、最後に「動く=ドウッ!」と元気よく声に出した郷。古希とは思えぬ変わらぬ若々しさ、勢いが会場に伝わり、一部から拍手が起こっていた。


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