──2025年はどんな年でした?
「バラエティー番組や映画の『パリピ孔明』など、演歌以外のお仕事が増えた年でしたね」
──紅白のイリュージョンやドミノなど面白企画の効果でしょうか。企画はご自身で?
「いいえ。
──窮地になったことは?
「しょっちゅうですよ(笑)。でも一番窮地に立たされたのはデビュー3年目の時ですね。このまま結果が出なかったら来年の契約はない、って宣告されたんです」
──当時はどんな活動を?
「90年代はカラオケ全盛で、歌を“聴く”から自分が“歌う”に変わってきて、カラオケ喫茶とかカラオケができるお店に営業で歌いに行きました。お客さまは自分に合う歌かどうかに関心があって、歌手は二の次。若手の私より『私のほうがうまい』と言われたこともありました(笑)。もちろんめげずに『そんなこと言わないでくださいよ~!』って明るく返してましたけど。当時はお昼から夜の12時まで、8カ所くらい営業に回って『まだあるの……?』なんて口に出しちゃうこともありました」
起死回生のきっかけは「ヒトのせいにしない!」
──どうやって起死回生したのでしょう?
「考え方を変えました。ヒトのせいにしない! みんなが押してくれる車に乗るんじゃなくて、目配り、気配り! 挨拶も一人一人目を合わせて、改めて感謝を込めました。考え方を変えると周りの方がより盛り上げてくださるようになって、おかげで契約が切られることなく、今31年目になりました。やっぱり生意気より頑張ってる人を推したいですよね……。そう思うようになって、いただいたお仕事は全て受け、文句は言わない、というか、ありがたさが増しましたね」
──紅白はスケジュールがタイトだそうで。
「今日(12月12日)ドレスのデザインが届いたばかりで、まだ何も(笑)。
──紅白での目標は?
「目標をたてて、かなってしまうと燃え尽きちゃいそうなので、あまり目標を決めないタイプなんです。紅白に出られるのも奇跡ですし、今回私は光が当たったけれど、いつか影に回る時が来るかもしれない。だから、この奇跡がいつ終わってもいいようにこの景色を目に焼き付けてベストを尽くすのみです」
──今後のビジョンは?
「デビューした頃、若い人が演歌を聴かなくなっているから『水森かおりの歌なら聴きたい』と思っていただけるようになりたい、架け橋になりたい、って言っていたんですよね。最近、バラエティー番組を見て興味をもってくださる方、同世代の方、おばあちゃんからお孫さんまで親子3代でコンサートに来てくださるようになって、少しは実現できているのかなと思います。これからも演歌の架け橋になれたら。全力で歌っていますので一度聴いていただけたらうれしいです!」
(取材・文=岩渕景子/日刊ゲンダイ)
▽水森かおり(みずもり・かおり) 1973年、東京都生まれ。95年に「おしろい花」でデビュー。2003年に「鳥取砂丘」で紅白初出場以来23年連続出場。

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