人気ロックバンドKing Gnuのボーカル井口理(32)が、「ライブ中の観客の歌唱」についてコンサートで語ったMCが波紋を広げている。


 King Gnuのツアー「CEN+RAL Tour2026」の初日公演では、“隣の観客が歌う声が大きくて、全然聞こえない”などの声がSNS上であがっていたが、井口は22日の公演のMCで観客にこう語りかけた。


「(皆さん)楽しいですか? なんか、隣の人の声がうるさくて、聞こえない、何だよ。みたいな声も聞こえてきますが。どうなんですか、みなさん。まあ、僕としてはですね。求めてることなので、こちらが。いいんですよ、ガンガン歌ってもらって。隣の声うるさいなあと思ったら、それ以上に歌ってください。その場をノーと言わずに楽しむことが大事ですから」と言うと、会場から歓声が起こった。


 この発言を伝えたニュースのコメント欄には、《本人の歌声を聴きに来ているのだから、周りに迷惑をかけるのはよくない》《アーティストがそう求めているのならいいのでは》といったものまで、肯定派と否定派が入り乱れて、さまざまな意見が飛び交っている。


「コンサート中に観客が大声で歌うこと」の是非は、度々、議論となるが、それに対するアーティスト側の対応も分かれるようだ。


「山下達郎は自身のラジオ番組で、“お客さんは、僕の歌を聴きに来ているのであって、あなたの歌を聴きに来たのではない”という趣旨の発言をしており、ライブで歌う観客に対して否定的です。一方、サザンオールスターズなどは、コール&レスポンスを使う楽曲も多く、観客が歌うことで一体感を促しているようにも見えます」(音楽業界関係者)


 音楽評論家の富澤一誠氏はこう話す。


「観客が“歌う”ということは、共感して同化するということですから、ミュージシャンにとっても聴き手にとっても、決して悪いことではない。スポーツ観戦で、ゴールやホームランが飛び出した時に観客もガッツポーズをするのと同じことです」


 一方、背景には音楽の聴き方の変化もあるという。


「昭和の時代は、ミュージシャンが聴かせたい歌を歌い、観客は聴きたい歌を聴いていた。ただ、曲調にもよりますが、フォークソングなど、一緒に歌うという文化はありました。それが大きく変わったのは、カラオケが登場してから。聴き手も積極的に歌うようになり、自分の歌いたい歌を聴くという傾向がより強くなりました。考え方はミュージシャンによって違うでしょうし、音楽の楽しみ方は人それぞれですが、“過ぎたるは及ばざるがごとし”と言えるのではないでしょうか」(富澤氏)


 古くて新しいこの問題、“最終結論”を出すのはなかなか難しそうだ。


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 記事中に登場した山下達郎だが、ジャニーズ問題の時には大きな批判を浴びていた。関連記事【もっと読む】山下達郎ラジオでの不遜発言に「ファンやめた」の大合唱 性被害者への想像力と社会性の欠如を露呈…では、その際の様子を伝えている。


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