【芸能界クロスロード】


 今年9月いっぱいで終了することが発表された午後の情報番組「ミヤネ屋」。2006年のスタート当時は、関西ローカルの放送だったが1年後に全国放送に移行した。


 ワイドショーといえば、朝・昼問わず東京のキー局が制作していた。「ミヤネ屋」は大阪・読売テレビの制作。司会も関西のフリーアナ宮根誠司と、初物づくしだった。周囲の期待と不安の入り交じるなか、宮根は規格外の司会で頭角を現していった。


 宮根は朝日放送の局アナ時代から軽妙なトークと対応力で「関西のみのもんた」と呼ばれていた。フリーになると読売テレビが才能を買い帯番組の司会に抜擢。満を持して東京に乗り込んできた。


 かつて吉本興業が明石家さんまを先頭に東京に進出したのと似ていた。吉本芸人が東京でも関西弁を使い、芸のスタイルも変えず成功したように、宮根も関西弁のまま司会を続けた。関西人が情報番組を変えた。当時のライバル的な番組だった安藤優子の「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ系)やTBS系の「2時ピタッ!」を蹴散らし、午後を代表する情報番組として定着させた。


 近年は後発のTBS系「ゴゴスマ」に抜かれることから、「司会者がしゃべり過ぎる」「失言が多い」と、宮根に対する批判も増えていたが、「ミヤネ屋」は宮根の冠番組

宮根が前面に出てくるのは「いかにも関西人らしい」という。批判よりも台本通りにこなす局アナより癖の強い人のほうが見る人を引き付けるのも事実。ただ、飽きられやすく敵も増えるのが弱点。ミヤネ屋ならくみしやすいと見たのか、13年から始まったのが「ゴゴスマ」だった。


 司会の石井亮次も名古屋のCBCの局アナからフリーになり、名古屋ローカル番組を全国にまで押し上げた。宮根とは対照的に癖はなく軽いノリで親しみやすい。番組の内容もゆるく、天気予報が番組の大半を占めるお天気情報番組(?)かと思われるほどだった。それでも好調なのは放送の時間帯にある。


 午後2時台の視聴者は少ないうえに、主婦か高齢者が大半。なにを見るかではなく、消去法で見る傾向にある。それも「〇〇しながら」見ている人が多い。テレビを見るよりラジオのように聞く感覚。

天気なら画面を見なくとも「ながら視聴」に最適な情報。


 意図して天気に時間を割いたのか、やるものがなく天気で時間をつないでいるのかはわからないが、政治や外交問題よりも天気のほうが聞きやすいことは確か。結果的に石井のキャラと天気予報でミヤネ屋を抜く日もあったが、宮根の降板に視聴率は無関係だった。


「宮根自ら降板をした背景には20年にわたり番組を成長させたことで一応の役目は終わり、後は自身のこれから先を考える時期となった」(テレビ関係者)


 62歳になった宮根自身が「安定」より最後の新たな挑戦を考えているというのが周囲の大方の見方。残るレギュラーはフジの「Mr.サンデー」のみ。今のフジにとって宮根は救世主に等しい。「宮根のために別な番組を用意する」とも言われる。


 一方、宮根を失った読売テレビは情報番組にはこだわりを持っているが、最大の課題は司会者。帯番組はもっともスケジュール調整が難しい。業界関係者によれば「読売に限らず各局が今、司会者として狙っているのが小泉孝太郎」という。主婦層も含め好感度は高くスキャンダルも少ない。父は元総理大臣、弟は現役の大臣。

最近はトーク力も安定している。テレビ界は進次郎の兄、孝太郎の動向に注目が集まるか。


(二田一比古/ジャーナリスト)


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