中年男はトイレに置き忘れたかばんを盗み、拾い主になりすまして「お礼」まで受け取っていた。


 他人のかばんを拾得物として届け出たように装い、報労金名目で現金1万円をだまし取ったとして、鳥取県警米子署は2月26日、米子市の無職、石原惣八容疑者(55)を詐欺の疑いで再逮捕した。


 事件の流れはこうだ。1月21日午前10時20分ごろ、同県境港市に住む男性(75)が、米子市内の駅構内のトイレを使用。その際、現金6万円入りの財布やスマホ、キャッシュカード、通帳、パスポートなど、9点が入ったかばん1個(時価計約7万3500円相当)を置き忘れた。


 忘れ物を見つけた石原容疑者は、その場からかばんごと持ち去って財布から6万円を抜き取り、1週間後の28日、市中心部にある交番を訪れ、かばんの中にあったポーチと筆箱を「拾得物」として届け出た。


 警察官が石原容疑者に報労金の支払いについて確認すると、権利を「行使する」と答えたため、石原容疑者の連絡先を聞き、男性に伝えた。


「報労金の目安は原則として拾った物の価格の5~20%相当となっているが、金額については警察は関与せず、当事者同士の話し合いで決まる。落とし主は拾ってくれた人に連絡をすることになっていて、男性が電話でお礼を伝えた際、石原容疑者は<少額でいいです>と答えたそうです。それで男性は1万円を支払った」(捜査事情通)


 ポーチと筆箱は戻ってきたものの、スマホやキャッシュカードは不明のため、男性は遺失届を提出。警察も一部が見つからないことを不審に思い、捜査を進めていた。石原容疑者本人を問いただしたところ、「間違いありません」と犯行を認めた。2月24日、男性が置き忘れたかばんを盗んだ占有離脱物横領の疑いで逮捕した。


 日本では財布やスマホを落としても、高確率で戻ってくるとされることから、「見つからないもの」が当たり前の外国人に「あり得ない」と称賛されることが多いが、善人のフリをして金をだまし取るとは、姑息としか言いようがない。


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