先日放送された「祝!徹子の部屋50周年記念 関根勤小堺一機と見るベストセレクション」(テレビ朝日系)は芸能界と“コサキン”の魅力を凝縮したような見応えだった。


 番組の初期に視聴者参加型のクイズコーナーを担当していた若き日の関根勤(当時はラビット関根)。

そこで俳優の東野英治郎、時代劇スターの嵐寛寿郎、萬屋錦之介ら本人の前でものまねを披露するのが恒例に。本人のリアクションを受け、愛嬌のある笑顔で場を和ませる芸風は変わらぬままだ。


 一方の小堺一機は、1984年から約31年放送された「ライオンのいただきます」(および「ごきげんよう」フジテレビ系)でお昼の顔に。「徹子の部屋」の真裏だったことからも、関根とは違った意味でゆかりが深い。そんなコサキンのふたりは息の合ったトークとものまねで番組を盛り上げた。


■師匠を持たないコメディアン


 もっとも印象深かったのは、小堺が過去VTRに登場した俳優の田村正和とのエピソードを再現したシーン。ドラマで共演した田村から「マネしてるんだって?」と聞かれ、本人を前にものまねしてみせたところ、小堺を見ずに「はっはっはっは……お疲れさま」と去って行ったという定番のネタだ。ものまねを交えた熟練のトークに、MCの黒柳徹子が軽快な笑い声を響かせていた。


 関根と小堺は、ものまね以外にも共通点が多い。「ぎんざNOW!」(TBS系)の「しろうとコメディアン道場」でチャンピオンとなって芸能界入りし、1970年代当時としては珍しく師匠を持たないコメディアンで同じ浅井企画に所属している。


 ふたりは、ともにパッとしなかった時期に接点を持った。周囲に「やってみればいいじゃない」と言われて「コサキン」(小堺の「コサ」と勤の音読み「キン」から。

当初はラビット関根だったことから「コサラビ」)を結成。下北沢で地道にコントライブを打つ中でラジオ番組が始まり、「欽ちゃんのどこまでやるの!」(NETテレビ系→テレビ朝日系)に「クロ子とグレ子」として出演すると、ふたりの知名度は一気に上昇した。


 その後もラジオやバラエティーなどで共演しつつ、それぞれの道を歩んだふたり。関根は、タモリ山田邦子ダウンタウンらの番組に多数出演する中で、自身が座長を務める「カンコンキンシアター」を継続。小堺は司会者や俳優として存在感を示した一方で、バックバンドを配備したアメリカンスタイルのコメディー公演「小堺クンのおすましでSHOW」でも高い人気を獲得した。


 昨今では、関根がYouTubeや創作落語に挑戦し、小堺が歌やトークで盛り上げるライブを毎年開催。コンビでは、TBSラジオのPodcast番組「コサキンDEワァオ!」で相変わらず絶妙な掛け合いを見せる。今後もコント師や漫才師とは違ったベテランの味を放ち続けてほしいものだ。 


(お笑い研究家・鈴木旭)


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