【あの頃、テレビドラマは熱かった】


 「to Heart ~恋して死にたい~」
 (1999年/TBS系)


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 大人たちが“Y2K”やら“ゼロ金利”やらに怯えていた世紀末。ルーズソックスをスーパールーズにした渋谷のガングロ女子高生たちは、ピッチからケータイに乗り換えて「バリ3だよ!」と笑っていた。

そんな1999年、まだエンタメの主役はテレビだった。その中心にいたのはSMAPを頂点にした“J”のアイドルたち。ただ、この年は当時“主演すれば視聴率30%”のキムタクのドラマがない。


 そんな隙をついて(別に隙じゃないけど)、連ドラで光を放ったのが、当時20歳のKinKi Kids(現DOMOTO)だった。


 この年の1月クールの日本テレビ土9「君といた未来のために~I'll be back~」で堂本剛が主演。7月クールではTBSの金9「to Heart~恋して死にたい~」で剛が、木10「P.S.元気です、俊平」で光一が主演するという、TBSは“2時間堂本アワー”という事態となってしまう。


 しかも両方とも青春ラブストーリー。きゃー。裏でどんなことがあったかは知らないけど、そういうことだ。


 で、堂本剛の「to Heart」。剛が演じたのは花屋でアルバイトをしながらプロボクサーを目指すという、少女漫画の主人公のような、恥ずかしいほどの胸キュン仕様。当時16歳の深田恭子は実年齢より2歳上の設定で、デパート屋上のクレープ屋さんのアルバイト店員。

深キョンはレンタルビデオショップで出会った剛に恋するが、剛には意中の人がいて……という片思いの連鎖で話が進んでいく。


 タイトルにある「恋して死にたい」は、第1話冒頭で深キョンが口にした「どうせ死ぬなら、」に続くセリフだ。そう、1999年7の月だから。


 時のスーパーアイドル主演のラブストーリーの相手役となれば、70年、80年代ならカミソリを仕込んだファンレターが届きそうなものだけど、深キョンはそうはならなかった。なぜなら、前年の「神様、もう少しだけ」でエイズになってしまった女子高生を演じて、女性視聴者をしっかり味方につけていたからだ。このドラマでも、恋する女の子の気持ちを代弁するように一生懸命さを熱演し、反感どころか応援されていた。ああ、あの浮世離れした深キョンに「愛はパワーだよっ((ハート))」なんてまっすぐに言われてみたい。言われたら引くけど。て、言われるはずもないけど。


 さて、剛が深キョンから猛アタックされていた前日、光一のほうは仲間由紀恵(当時19)と瀬戸朝香(同22)に翻弄されていた。光一ファンはこの2人にヤキモキしていたらしい。 


(テレビコラムニスト・亀井徳明)


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