【スージー鈴木のゼロからぜんぶ聴くビートルズ】#2
なぜ今ビートルズを「ゼロからぜんぶ聴く」のか②
◇ ◇ ◇
昨日に引き続き、なぜ今ビートルズを「ゼロからぜんぶ聴く」のかについて。理由の第2は、ちょっと禅問答のようになりますが「ゼロからぜんぶ聴くことが難しくなっているから」。
「世界でもっとも情報があふれ返っている音楽家」と言っていいでしょう。本屋に行っても、決して広くはない音楽本の棚に、ビートルズ本がずらりと並んでいます。
読んで驚くのは、その細か過ぎる内容。
「この曲は何月何日に、誰がどんな楽器を担当し、何テイク録られて、そのうち何テイク目のどことどこが採用された……」みたいな、おそらく当のメンバーでさえ、忘れ去っているだろう情報が事細かに載っています。
つまり、ビートルズ本の多くは、ビートルズのマニア=「ビートルマニア」向けに書かれているのです。
そして、その情報のトリビアぶりを競っている。「一般にギターソロは7テイク目が採用されたと思われているが、実は11テイク目だ」とか。
「今、ゼロから聴く人のガイドではないなぁ」とも思ってしまうのです。あと「マニアック過ぎて、ゼロから聴きたい人を遠ざけてしまうよな」とも。
さらに「トリビアはいいけど、もっとシンプルに曲そのもの・音そのものについて語ったれよ」とも思ってしまう。
しょせん私は「ビートルマニア」の端くれの端くれ程度なので、トリビア情報には、ぜんぜん詳しくない。でもその分、40年以上前、今と比べたら、ほとんど情報がない中、東大阪(私の出身地)から、リバプール(4人の出身地)の路地裏に分け入るように、先入観なしで聴き込んで聴き込んで感じたことを、今でもリアルに覚えている。
という独特の立場から「今、ゼロから聴く人のガイド」になりたいと考えたのでした。
ということはつまり、この連載は、マニアの方には大いに食い足りないものになると思います。すいませんね、どうも。
ただ、マニア向け情報は、最近のビートルズ本(だいたいお高い)にお任せして、日刊ゲンダイ(安い!)からは、令和の世に「ゼロからぜんぶ聴く」ために、曲そのもの・音そのものの楽しみ方をお知らせできればと思っています。
そして、本連載をきっかけにして、読者の方々が、ビートルズ沼にのめり込み、そしてその中の何%かが、本気のビートルマニアになってくれればいいな。
だって、財津和夫も杉真理も、最初はゼロから聴いたのですから。 (この項つづく)
■著者最新刊「日本ポップス史1966-2023~あの音楽家の何がすごかったのか」 絶賛発売中!Amazonでのお求めはこちらから
■好評連載「沢田研二の音楽1980-1985」をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)発売中!
▽スージー鈴木(音楽評論家) 1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。

![【Amazon.co.jp限定】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 豪華版Blu-ray(描き下ろしアクリルジオラマスタンド&描き下ろしマイクロファイバーミニハンカチ&メーカー特典:谷田部透湖描き下ろしビジュアルカード(A6サイズ)付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Y3-bul73L._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】ワンピース・オン・アイス ~エピソード・オブ・アラバスタ~ *Blu-ray(特典:主要キャストL判ブロマイド10枚セット *Amazon限定絵柄) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Nen9ZSvML._SL500_.jpg)




![VVS (初回盤) (BD) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51lAumaB-aL._SL500_.jpg)


