イラン攻撃のドサクサに紛れて、日本維新の会が固執する衆院議員定数(465)の1割削減に新たな動きだ。維新の中司幹事長が比例区のみ45議席減らす法案の検討に入ったと明言。

自民との協議を経て早ければ今月前半に法案を提出し、今国会での成立を目指す。


 昨年の臨時国会提出の「小選挙区25、比例区20」の削減法案同様、今回も懲りずに1年以内に与野党協議で結論が出なければ自動的に削減という横暴さ。当初の主張に戻す「比例のみ削減」への先祖返りには、区割り変更が必要な小選挙区の削減は面倒との短絡思考もうかがえる。とにかく、衆院選で圧勝した巨大与党の「数のおごり」が色濃い内容だ。


「定数176の比例区の25%超も削ることになり、衆院に占める小選挙区選出議員のウエートが増す。問題は、今の小選挙区制が決して民意を反映しているとは言えないこと。その危うさは、先の衆院選の結果からも明らかです」(法政大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)


 衆院選で自民は316議席を獲得。特に小選挙区(定数289)では他党を圧倒し、249議席を得た。ただ、小選挙区での自民候補の得票率は49.1%。さらに棄権者も含め、すべての有権者のうち自民候補に投票した割合を示す「絶対得票率」は、26.9%に過ぎない。


■4人の1人の投票で議員占有率は86%


 つまり全有権者の4人に1人程度しか投票しなかったのに、自民の小選挙区における議席占有率は86.2%に達した。小選挙区制導入以来、初の8割超えだが、絶対得票率とは実に約60ポイントもの差がある。

大阪の小選挙区で18勝1敗と圧倒するなど、維新獲得の20議席も合わせれば、与党の小選挙区での占有率は93%に跳ね上がる。


「小選挙区制は、約30年前の政治改革で政権交代可能な2大政党制を目指すことを前提に導入されたため、多党化が進んだ現状とは相いれなくなっています。多様な民意を補完する比例区の削減はもってのほか。ますます『死に票』を増やし、政治の翼賛化を強めるだけです」(五十嵐仁氏)


 衆院選後に実施した朝日新聞の世論調査で、自民の獲得議席が「多すぎる」は63%に達した。独裁一直線の「数の横暴」は絶対に許されない。


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 維新が目論む連立合意の「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し」は国民皆保険制度の破壊に等しい。関連記事【もっと読む】『維新が狙うOTC類似薬「100%負担」のショボすぎる“保険料軽減効果” むしろ医療制度改革に火種のトンデモ愚策』で詳しく報じている。


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