「勝てば官軍」とばかりに、高市自民党が国会で強権を振るっている。衆院で圧倒的多数を握る「数の力」にモノを言わせ、高市首相を国会答弁から遠ざける「高市隠しシフト」を展開。
与野党は5日の衆院予算委員会理事会で、首相出席の集中審議を週明け9日の午後に開催することで合意。午前に一般質疑を行う。与党側は当初、9日の集中審議と、今週末の土曜日(7日)に一般質疑を実施する異例の「休日審議」をセットにして野党側に提案したが、猛反発を受けて取り下げた。
「与党が譲歩したように見えますが、そもそも2日に提案された日程は予算委への首相出席が60時間未満という前代未聞の内容でした。通常、予算委の審議時間は70~80時間が相場。与党は来週13日の衆院通過を目指しており、十分な審議時間を確保する気はありません」(野党関係者)
高市首相は米国のイラン攻撃を理由に「予算の予見可能性は一層高めるべき時期だ」として年度内成立を訴えるが、本をただせば、ゴタゴタの原因は高市首相による自己チュー解散・総選挙だ。審議入りが例年より約1カ月も遅れた帳尻を合わせようと、予算委の坂本哲志委員長(自民)は強権を発動。予算案採決の前提となる地方公聴会を8日に、中央公聴会を10日に開催することを委員長職権で強行採決し、野党の反対を押し切った。
ダブルスタンダードを露呈
高市首相におもねる坂本采配は、首相出席の基本的質疑でも本領発揮。衆院選で「私にばっかり(答弁が)あたる」とストレスをあらわにした高市首相への配慮か、首相への質問の答弁もいちいち他の閣僚に振る“過保護”ぶりを見せた。
「数の力」を振りかざし、国権の最高機関たる国会を歪める──。
高市首相が公式サイトの「コラム」欄を閉鎖。約25年間も書き続けたブログ記事をすべて削除したことで、“善意の第三者”がアーカイブ検索ページを設置した。そこから約1000本の記事をさかのぼると、自民党が下野した2009年、高市首相が民主党政権の国会対応について嫌み交じりにつづっていたのが分かる。
〈本日召集された臨時国会は待ちに待った論戦の場ですが、野党には殆ど質問をさせない国会運営をされてしまうのではないかと疑心暗鬼になっています〉(10月26日)
〈大雑把なマニフェストの項目を法律にし、予算措置をしていくには、国会での審議と議決が必要です〉(同)
翌10年度の予算審議を巡っては、こうボヤいていた。
〈衆議院では、与野党の圧倒的な議席数の差から、国会運営も強硬な民主党のペースで進んでしまい、多くの課題を残したまま、今週火曜日に平成22年度予算案審議が終了してしまいました〉(10年3月5日)
こうした嫌み・不満を書き連ねていたのに、首相になった今では審議短縮や強硬な国会運営に邁進。17年前に放った特大ブーメランが直撃とは、ダブルスタンダードな高市首相らしい。今後も過去の自分が「最大の敵」となりそうだ。
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