【桧山珠美 あれもこれも言わせて】
マツコ・デラックスがレギュラー番組の「5時に夢中!」を欠席したのは先月9日のこと。律義なマツコ。
しかし、生放送の「5時に夢中!」以外のレギュラー番組「月曜から夜ふかし」「マツコの知らない世界」「マツコ&有吉かりそめ天国」「週刊さんまとマツコ」は普通にマツコが出ている。撮りだめだったり、総集編を合わせたりと工夫をしているのだろうが、マツコが入院していることすら知らない視聴者もいるのではないだろうか。
そういえば、このところ人気者の「お休み」が相次いでいる。オードリー若林正恭は声帯治療のため、2月21日から3週間。TBSの安住紳一郎も28日「情報7days ニュースキャスター」を体調不良で欠席。翌日のラジオ「安住紳一郎の日曜天国」、翌々日からの「THE TIME,」も欠席した。TBSの看板アナの安住がオーバーワークなのは明らか。ゆっくり静養して欲しいものだ。
もっとも、テレビの顔とも言える人が画面から消えても、当たり前だが、テレビはどうにかこうにかやれている。
■視聴者は松本人志、中居正広の不在も慣れた
思い起こせば、この光景は何度も見てきた。島田紳助が電撃引退した時もそう。当時、紳助は番組をいくつも抱える絶対的な存在だったが、その穴は埋まっていった。番組は形を変えて続き、紳助の席には別のタレントが座り、視聴者もいつの間にか慣れてしまった。
最近も同じことがあった。ダウンタウン松本人志、中居正広がテレビから消えた時も、さすがに影響は大きいのではないかと思われた。
松ちゃん、中居くんのいないテレビなんて……のはずがテレビは相変わらず普通に回り続けている。結局のところ、唯一無二の存在に見えていたタレントでも代わりはいくらでもいる……。そして視聴者もまた意外なほど順応が早い。最初こそ「いなくなると困る」と騒がれるが、少し時間が経てば、「まあ、こんなものか」となる。
そして芸能人が休まず働いてきた理由もなんとなく見えてくる。
テレビは時にそんな身も蓋もない現実をさらりと証明してしまう。もちろんそれは芸能人に限った話ではない。会社でも組織でも誰かが抜ければ最初は騒ぎになるが、やがて別の誰かがその席に座り、何事もなかったように回り始める。
世の中とは、案外そういうものらしい。
(桧山珠美/コラムニスト)

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