“K-POP、韓国ドラマ、韓国製品をボイコットしろ”──。今年2月からX(旧ツイッター)などのSNSで、こんなスローガンが飛び交っている。

その声の主役は、東南アジア各国のSNSユーザーたちだ。


 ボイコットだけではない。SNSでは「韓国人は整形モンスター」と嘲笑する動画、また「韓国人男性のペニスは小さい」と揶揄する絵文字(指で何かをつまんでいるようなイラストの絵文字)が氾濫。また韓国の国旗と日本の旭日旗を合成し、韓国を「West Japan」(韓国は日本の一部)と嘲弄する画像も登場した。


 発端は、1月31日にマレーシアで開催されたK-POPの公演。韓国人男性の一行が禁止されていた望遠カメラを持ち込み、警備員にとがめられた。すると男性らは怒鳴り散らして警備員を引きずり倒すなどの暴挙に。最後は会場から退去したが、一部始終を収めた動画がSNSで拡散した。


 この件を巡って、マレーシアと韓国の一部ユーザーが論争を開始。やがて両者は、差別的な罵倒の応酬を始めた。そして韓国側のあるユーザーが東南アジア人をチンパンジーになぞらえる投稿を繰り返すと、韓国人に対する怒りが爆発。インドネシアを筆頭に各国のユーザーも参戦し、韓国叩きが燃え広がった。

対する韓国側は、一部のユーザーが東南アジア人を見下す投稿を執拗に繰り返している。


 もう一つ火に油を注いだのは、韓国人政治家の失言だ。2月4日、韓国・珍島郡の長が少子化対策として「東南アジアなどの若い女性を輸入して農村の独身男性と結婚させるべき」だと発言。当然ながら、これも各国で激しい怒りを買った。


 韓国側ユーザーの東南アジアに対する蔑視は、韓国国内で高まる外国人労働者への敵愾心が源泉だ。日本の在留外国人比率は、2025年で3.21%。一方の韓国は、2024年で5.2%。10年ほど前からは、外国人労働者らへの敵意がネットで噴出している。


 東南アジア側が投稿に使うハッシュタグが#SEAblings。東南アジア(SEA)と「兄弟・姉妹」を指す“siblings”をかけ合わせた造語だ。これは東南アジア諸国は1つの家族という連帯を表す。


 近年急成長している東南アジアは、ネット利用者が3億4000万人超とも。

SNSでも影響力の大きな勢力として急速に台頭しており、侮ると韓国のように痛い目を見ることになりそうだ。


(高月靖/ノンフィクションライター)


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 近年は「和製K-POP」なるものもあるらしい。関連記事【もっと読む】NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?…では、その実像に迫っている。


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