【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】


 テレビのバラエティーやCMで、お笑いタレントの出川哲朗(62)の姿を見かけることが多い。


 僕は彼を目にするたびに〈ああ、相変わらず売れっ子だなぁ〉とうれしくなってくる。


 取材で彼と話したのは2004年。彼が元レースクイーンの夫人と結婚した際の報告会見が印象に残る。その後、出川が奥さんのことを語ったという話はあまり聞いていないので、貴重な時間だったと思う。真面目にインタビューに答えた後、出川は僕に対して「プライベートの記者会見って経験がないんで緊張していたんだけど、知っている顔を見てホッとしました」と言って笑ってくれた。


 というのも、その直前に彼と僕はしばらく名古屋ローカルの番組で共演していたからだ。あの大声と独特な口調でお笑いイメージの強い彼だが、打ち合わせなどで話していると、その内容も常識的で“いい人”そのものだった。番組プロデューサーや担当者の名前はもちろん、若いたくさんのスタッフの名前まできちんと覚えていて、誰に対しても悪口を言うことはなかった。


 一方、テレビ局に到着した時から片手にドリンク剤を持っていて、チビチビと飲んでいた。打ち合わせでもチビチビと飲んでいるので、「飲み過ぎでしょう」とツッコんだら、「これで元気でいられるんだから」と飲み続けていた。後にそれが原因で体調を崩すのだが、ドリンク剤をやめ、今度は炭酸飲料の飲み過ぎで入院騒動を起こしたとも聞いた。懲りない人でもあるのだ。


 若い頃には長く「抱かれたくない男ナンバーワン」の常連だったが、十数年前からは好感度タレントに転換している。


 囲み取材で人気ぶりを尋ねられた彼は「わかりません。僕は30年、同じことをやり続けているんで、時代が追いついてきたかと……。あっ、すみません」「若い女の子が〈かわいい!〉って言ってくれる……。す、すみません。いま気持ち悪いことを言ってしまいました」と、ひとりでボケてツッコんでこちら側を笑わせてくれた。その好感度が変わらないまま、現在の売れっ子ぶりを継続しているところが凄い。


 2年前の還暦祝いイベントには多数の有名タレントがゲストとして登場した。その人脈もさることながら、60を過ぎて後輩タレントに〈いじられ〉たり、視聴者から〈笑われる〉ことは本当に難しい。今後、出川がどんな“お爺ちゃん”ぶりを見せてくれるのか、大いに楽しみだ。


(城下尊之/芸能ジャーナリスト)


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