ネットフリックスにとっては、大誤算だったか。


 3月14日(日本時間15日)に行われたWBC準々決勝で日本はベネズエラにまさかの敗退。

連覇の夢は消え、初めて4強入りを逃した。この結果にXでは、《ネトフリさっさと解約したった》から《次の更新日までは見られるから、他の映画でもみるか》などさまざまな意見が飛び交い、「#ネトフリ解約」がトレンド入りした。


 日経新聞によれば、今回のWBC独占配信でネトフリの加入者は国内で約300万人増えたそうだ。16日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、コメンテーターの玉川徹氏は「これで30億くらいの増収になるようです。これが半年続けば、150億円の放映権料を回収できるけど、問題は半年続くかということですよね」と解説した。


 一方、朝日新聞の調査によると、WBCがネトフリで独占有料配信され、地上波のテレビで見られないことについて「問題だ」は44%、「問題ではない」が50%だったという。「問題だ」と答えた人は40代以下では2~3割台だったが、60代以上では5割超。配信文化に不慣れな高齢者ほど、不満や戸惑いがあったようだ。


 ネトフリ側は、大会に先駆け、初月料金が最大50%オフになるキャンペーンを実施。日本のコンテンツ部門トップを務める坂本和隆バイスプレジデントは、14日配信の朝日新聞のインタビューで世間の批判に対し、「WBCをきっかけとしてネットフリックスに加入していただいた後、『これだけの作品を見られるのはいいね』と思っていただき、継続して入っていたいなと思っていただけるコンテンツを提供することが、我々のミッション」などと鼻高々で語っていたが、コメント欄は、肯定派から否定派まで8000を超えるコメントであふれ、物議を醸した。


 日本テレビプロデューサーを経て、大和大学社会学部でメディア論などの教鞭を取る岡田五知信教授は「平たく言えば、“加入させられたのに負けた”という不満や怒りが爆発したということでしょうね」としてこう話す。


「さらにそれがSNSでネタとして可視化されたことで、ネトフリがその受け皿になった。

それは侍ジャパンへの期待の裏返しでもあります。同時にサブスクの仕組みの周知にも一役買った。ただし、ここで強調しておきたいのは、国民的スポーツの中継のあり方についてです。とにかく今までは無料で見られたわけですよ。それを一企業が独占する有料配信という前例をつくってしまった。欧州や韓国などでは、『ユニバーサルアクセス権』と言って、国民的なイベントやスポーツ中継は誰もが見られるようにしなきゃいけないという法律があります。韓国でも今回のWBCは地上波で視聴可能でした。ただのコンテンツビジネスとしての文脈ではなく、文化を守るという意図がある。ですから民放も、五輪やサッカーW杯では、うまくやっているように、今後、野球という国民的スポーツ中継のあり方も議論していくべきだと思いますね」


 日本代表のまさかの敗退は、今後の国民的スポーツ中継のあり方に一石を投じたようだ。


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 大会史上初4強進出を逃した日本。井端監督は「選手はよくやってくれた。負けたのはすべて私の責任」と潔かったが、采配に問題はなかったのか。

関連記事【もっと読む】『大谷も「勝てる要素のある試合」と悔いた 侍J最悪のWBC8強止まり…井端監督チグハグ采配の痛恨』…では、15日のベネズエラ戦について深堀している。


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