「氷点2001」
(2001年/テレビ朝日系)
◇ ◇ ◇
2001年、ドラマは全話30%超えのキムタク「HERO」を筆頭に、中居くん「白い影」やタッキー「アンティーク」「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」、マツジュン「金田一少年の事件簿3」、長瀬の「ムコ殿」などなど、“J勢”がランキング上位を占めた。新世紀になったからといって、テレビは世紀末とさほど変わらないでいた。
その一方で、ネット環境の高速化はグッと進んでいた。東京の街中のあちこちで、ミニスカの女の子が“Yahoo!BB”のモデムを無料で配りまくっていたのは秋。僕はすでに“東京めたりっく通信”で満足してたけど、ふらふらと吸い寄せられて赤い紙袋を持ち帰ってしまった記憶がある。
そんな秋、あの9.11のちょっと後に最終回を迎えたのがテレビ朝日系の「氷点2001」だった。原作は、母と義理の娘の壮絶な愛憎劇を描いた三浦綾子の新聞連載小説。1966年、テレ朝の前身NET時代に最初の連ドラ版が放送され、最終回視聴率が42.7%と大ヒットした伝説的作品だ(日本テレビ系の「笑点」はそのヒットにあやかったものらしい)。
若尾文子(映画版)、新珠三千代、小山明子、南田洋子、野際陽子、三田佳子、いしだあゆみという流れで、常にその時代を代表する大物女優が演じてきた母親・夏枝役は、今回は浅野ゆう子(当時41)。おー、脱トレンディー。で、かつて“永遠の美少女”といわれた内藤洋子が演じた娘・陽子には、当時人気絶頂だったローティーン向けファッション誌「ピチレモン」のモデル、末永遥(当時15)。同時期の“ピチモ”には宮崎あおい、平井理央、酒井彩名、大沢あかね、長澤まさみらがいた。きゃぴ!
さてさて。なかなか鉱脈がつかめず試行錯誤を重ねていた“テレ朝木9”が、この伝説的作品に懸けた期待は大きかった。
しかも当時の第5シーズンあたりでは一部の若者にも「渡鬼」の略称で親しまれ始めた頃だから、視聴率ではその半分程度に終わった。「そんな昔のドラマ知らないよ」なんて若者にはスルーされ、狙いの年配層も取り込めず……まあ、全10話平均で9%台、最終回は11%台だから、熱心に見ていた人は少なからずいて、「渡鬼」相手に健闘と言っていいけど。
キムタクが神がかり的な活躍を見せ、テレビではJ人気や往年の名作にすがっていた2001年。街角でミニスカのお姉さんが配ったあれが、メディアの王者の交代を告げる序章だったとは……。
(テレビコラムニスト・亀井徳明)

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