米国とイスラエルが仕掛けたイラン戦争のドサクサに紛れて、ロシアのプーチン大統領がウクライナへの攻勢を強めている。米国とウクライナとの間に再び吹き始めたすきま風に付け込むつもりのようだ。
ロシア軍は14日未明、約430機のドローンと約70発のミサイルで首都キーウなどを大規模攻撃。キーウ州当局によると、4人が死亡、少なくとも15人が負傷したという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、自身のXで迎撃ミサイルの必要性を強調。支援国を念頭に〈ミサイル供給に関するあらゆる合意は速やかに実行に移されなければならない〉と訴えた。
一方、ウクライナ支援の一翼を担うトランプ米大統領にとって、今や最優先事項はイランだ。ウクライナ戦争を止めるどころか中東で新たな戦争を始めたうえ、原油供給の安定化を口実にロシア制裁を緩和。14日には米NBCのインタビューで、ゼレンスキーが「和平合意を望んでいない」と主張し、「(ゼレンスキーとの交渉は)より困難だ」と言い放った。
トランプ大統領がウクライナを突き放し、再びロシア寄りの姿勢を見せ始めたことに、プーチン大統領はニンマリだろう。
「キーウ在住の人いわく、『ここ1、2年の間で最も激しい攻撃』が続いているとのことです。プーチン氏としては、イランからの武器供与が滞る前にキーウを叩いてしまいたい思惑と、今なら猛攻に打って出てもトランプ氏は無反応だろうとの読みがあるのでしょう。ロシア経済は政府予算の4割が防衛費に回され、代表的な大手企業89社のうち約7割が債務返済が困難というありさまです。経済的な行き詰まりが続く中、米国が対ロ制裁を緩和してロシア産原油の購入を一時的に認めたことは、まさに渡りに船。
■プーチン大統領の「奇妙な沈黙」
トランプ大統領がプーチン大統領をアシストしたことにより、開催が延期されている米露ウの高官協議は、ますます遠のいてしまう。
「ウクライナ国内でゼレンスキー氏への不満が高まれば、最悪の場合、ベネズエラで成功体験を得たトランプ氏がゼレンスキー氏の“排除”に躊躇しない恐れがある。イラン攻撃を巡り、プーチン氏がトランプ氏への批判を控えているのが不気味です」(中村逸郎氏)
プーチン大統領の「奇妙な沈黙」は、果たして何を意味するのか。
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トランプ大統領がイラン軍事作戦において、ロシアのプーチン大統領を頼ったことで中東情勢はますます混迷。プーチン大統領の思惑とは。関連記事【もっと読む】『プーチン大統領が“焼け太り”…中東情勢ドロ沼で米トランプ大統領に頼られ、ロシアの経済制裁緩和へシメシメ』もあわせて読みたい。





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