「われわれは誰の支援も必要としていない」──。トランプ米大統領が日本など同盟国への不満を爆発させた。
■艦船派遣「不満爆発」は厄介な圧力
トランプ大統領は「NATOの支援を必要とせず、望んでもいない。最初から必要なかった」と強調。さらに「日本、オーストラリア、韓国についても同様だ。世界最強の米国の大統領として言えば、誰の助けも必要ない」と主張した。自分の望みがかなわないと、駄々をこねる幼児のような態度である。
むろん、駄々っ子と同じくトランプ大統領の同盟国への「失望」は「大きな期待」の裏返し。18日に、日本を発ち、19日に日米首脳会談に臨む高市首相にすれば「支援は必要ない」の表明をうのみにはできない。ますます厄介だ。高市首相はうまく対処できるか。
自衛隊艦船の派遣は法制上の制約に加え、高市首相にとっては心理的ハードルも高い。
2015年に成立した安全保障関連法の国会審議で、当時の首相である安倍元首相は「存立危機事態」の具体例としてホルムズ海峡の機雷封鎖を挙げた。しかし、その認定は①日本と密接な関係にある他国への武力攻撃②日本の存立が脅かされて、国民の生命・自由・権利が根底から覆される明白な危険ーーの存在が要件。重ねて安倍元首相が要件に掲げたのは、国際法上の正当性だ。15年5月27日の衆院特別委員会でこう明言していた。
「仮に、ある国家が何ら武力攻撃を受けていないにもかかわらず、違法な武力の行使を行うことは国際法上認められない」「わが国がそのような国を支援することはない」
その後も同様の答弁を繰り返し、武力行使に「歯止め」をかけることで法の成立に理解を求めた経緯がある。
国際法上の正当性が絶対条件
つまり米国のイラン攻撃が国際法上「合法」であることが、存立危機事態に基づく自衛隊派遣の絶対条件。安倍答弁を踏み越えて、トランプ大統領の要求に従えば、高市首相は亡き「師」の顔に泥を塗ることになる。
そもそも今回の米国とイスラエルによる攻撃は、国際法違反だ。11年前の国会審議で安倍が例に挙げた「違法な先制攻撃」にあたる。それでも、高市首相は国際法上の評価を避け、日米首脳会談の場で「国際法上の法的な評価について議論するつもりはない」と言ってのけた。
さらに、17日は艦船派遣の検討をめぐり、「ことによっては国会の承認が必要なミッションもある」「その場合はできるだけ幅広く各党各会派の代表に丁寧に話したい」とまで踏み込んだ。
この「国会の事前承認」もまた、安保法審議の安倍答弁につながる。ホルムズ海峡の機雷封鎖による存立危機事態を認定して自衛隊を出動させる際、安倍元首相が原則として「可能な限り追求していく」と打ち出したものだ。
駄々っ子と政治の師との「板挟み」で、高市首相はマトモな判断を下せるのだろうか。
◇ ◇ ◇
ただでさえ国家安保や外交に疎い高市首相。“駄々っ子”トランプ大統領にどんな要求をのまされるのか。関連記事【もっと読む】『高市首相の訪米につきまとう「外交オンチ」不安 トランプすり寄り一辺倒なら予算案年度内成立は頓挫必至』…もあわせて読みたい。





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