今月14日からスタートした吉野家の新CMが反響を呼んでいる。木村拓哉(53)をキャスティングしたことにSNSでは《キムタク、吉野家なんて行かないっしょ》《ミスマッチ感、ハンパねぇ…》などといった、両者の親和性の薄さを指摘する声が多く聞かれた。


 CMでは勢いよく吉牛をかき込む姿を見せる木村だが、違和感が出るのも無理はない。筆者も週刊誌の記者時代、木村の映画やドラマの収録終わりに追跡取材を何度かした経験があるが、木村に限らず、人気の高いタレントたちが、ファミリーレストランやファストフード店に入った姿は一度も見たことがない。念のため、同僚だったベテラン記者やカメラマンにも“キムタクの牛丼姿”の目撃情報について聞いてみたが「見たことも聞いたこともない」という答えだった。


 最近の木村の人気CMといえば、三菱UFJフィナンシャル・グループが挙げられるだろう。昨年5月からスタートした同CMは、木村と石原さとみ(39)、水上恒司(26)という豪華キャスティングが視聴者の間で話題になった。


 シリーズ最新CMでは、渥美清さんの「男はつらいよ」を彷彿とさせる、久しぶりに帰ってきた兄と妹、弟という家族愛を前面に出した演出が好評を博し、ファンならずとも歓喜する作品になっていた。


 ところが、突如として木村と石原の温かい関係に水を差す形となったのが今回の木村の吉野家の新CM出演だ。


「業界で牛丼のCMといえば、20年7月以来、すき家に出演中の石原が君臨しています。そこにいきなりのライバルとして、木村が殴り込みをかけた構図になった。三菱UFJのCMの好感度が高いだけに、ギャップに戸惑う視聴者も少なくありません」(広告関係者)


 あくまでCMの設定とはいえ、“空気を読まない”木村の新CMに、戸惑いを隠せないファンも多いようだ。


「牛丼市場はすき家、吉野家、松屋の3強が続いています。この中で最も売り上げを伸ばし、安定しているのがすき家。

主な顧客層は、すき家が家族、学生、地方在住者で、吉野家はサラリーマンと都市在住者、松屋は30~50歳代男性の定食好きという色分けがはっきりされています。すき家を猛追する吉野家が、この数年の“客数減少”という喫緊の課題に頭を抱え、挽回の切り札として投入したのが木村なのでしょう。木村をイメキャラに据えることで、都市在住者の女性客層の開拓に焦点を当てたというわけです。最近の矢継ぎ早の新メニュー開発も、これまでメインターゲットだったサラリーマン層というよりは、20~30歳代の女性層を意識したものだともいわれています。実際、ターミナル駅を中心に市場調査をしてみたところ、『キムタクさんの笑顔に誘われて、お一人さまでも店に入りやすくなった』という女性の声も実際に聞かれました。仕掛けは大成功というわけです」(前出の広告関係者)


 木村が吉野家で牛丼を食べていようがいまいが、“僕が推奨する吉野家の牛丼を食べてみて”とほほ笑みかけるビジュアルとCMは、それまで店に入るのに抵抗があったOLや女性たちの足を、間違いなく店に運ばせていると、この関係者は答える。


 首位を独走するすき家も、ここにきて客足の鈍化が顕著になりつつあるともいわれている。


 木村と石原の“場外対決”牛丼編。はたして軍配は兄か妹どちらに上がるのか。


(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)


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