国民的コメディアンの志村けんさんが他界(2020年3月29日没=以下敬称略)し、間もなく七回忌を迎えるが、いまだその存在は大きいままだ。先月23日には「志村けんのコント総選挙ザ・ワールド! 世界が決めたTOP30」(フジテレビ系)が放送され、改めて海外人気の高さを感じさせた。
番組では、世界各地の動画投稿サイトで再生回数を集計したほか、現地に出向いて街頭アンケートを実施し、来日して間もない外国人の人気投票や日本語学校で上映会アンケートを行うなど、大規模な調査によって志村が出演するコントの人気ランキングを発表していく。
たびたび差し込まれる、コントを見てゲラゲラと笑う外国人の姿が新鮮だ。動きや表情による笑いの強みを実感する。意外だったのは名物コント「変なおじさん」が20位、田代まさしと演じる「あぶない刑事」(日本テレビ系)のパロディー「あぶなすぎる刑事」が2位だったことだ。
恐らく各国で“バディーもの”は人気ジャンルであり、パロディー作品も多いため伝わりやすいのだろう。これに対し、日常シーンが後半でひっくり返る変なおじさんは初見の視聴者からすると戸惑いがあるのかもしれない。「デシ男」が1位だったことからも、一貫したキャラとわかりやすい展開のコントが支持されたと考えられる。
「となりのシムラ」(NHK総合)の演出・吉田照幸氏によると、志村はコントを「原始的なところ」まで落とし込んで作っていたらしい。国内外で愛されるのは、そのこだわりによるところも大きいのではないか。
■語り継がれる思い出
志村の存在を身近に感じるのは、いまだメディアで名前が挙がることも関係しているだろう。
例えば、先月5日放送の「アメトーーク!」(テレビ朝日系)に出演した渡辺直美。幼少期、親戚がいる台湾の日本語チャンネルで頻繁に流れていた「志村けんのだいじょうぶだぁ」(フジテレビ系)でお笑いを学び、後に志村と共演した際に「俺を見て育っただろ」と見抜かれた日のことを振り返っている。
また俳優・柄本時生は、同月17日に投稿された自身のYouTubeチャンネル×「ハンターch」とのコラボ動画の中で、幼少期に父・柄本明主宰の「劇団東京乾電池」の公演に志村が顔を見せたことから「志村けん!」と大騒ぎして大人を困らせたエピソードを述懐。
同月10日の「いろはに千鳥」(テレビ埼玉)では千鳥のノブが「志村フロート」(ウイスキーソーダ割りの表面にウイスキーを垂らすスタイル)の話題に触れ、27日の「笑神様は突然に…」(日本テレビ系)では大悟が8年前の石垣島ロケを回想し、志村が振り返るだけで集落の子どもたちが「ガハハハッ!」と爆笑した思い出を口にしている。
2月に放送されたものだけでもまだまだあり、書き切れない。記憶から遠のく日は、だいぶ先の話になりそうだ。
(鈴木旭/お笑い研究家)

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