テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】


 伝統的に日本のテレビは国際ニュースの扱いが小さいですよね。さすがにあちこちで戦争が起きている今の状況ですから、量的には以前よりも増え、毎日国際ニュースが放送されるようにはなってきましたが、それでも内容的にはあまり充実しているとは思えません。


 扱う時間は長くても、内容はだいたい3つの要素しかありませんよね。


①海外の通信社やテレビ局から配信された「外国メディアが撮影した映像素材」


②特派員が「戦場などとはちょっと離れた安全な場所からお届けする」中継


③各局いつも同じ専門家ばかりが出てくる「スタジオ解説」


 正直言って朝から晩までおんなじ内容ばかり。現地を独自で取材した内容はほとんどありません。せいぜい「日本からオンラインで取材した現地の人のインタビュー」くらいでしょうか。ちょっとこれではニュース番組としては情けない、お寒い内容です。


 日本のテレビに伝統的に国際ニュースが少ないことには、いくつもの理由があると思いますが、やっぱり大きいかなと思うのは「国際ニュースが取材できる人材が少ないこと」ですね。日本のテレビでは海外ネタをやってもあまり視聴率が取れない、ないしは「取れないという局の思い込み」があるから、そもそも国際ニュースに携わる人材がテレビ局にはたくさんはいません。


 専門的な語学教育や留学制度などもあまりないので、専門的知識を持っている人物もそれほどいない。しかも、日本のテレビ局は腰が引けているので、危険な地域に自局の人間を行かせないんです。現場は「イランに行って取材したい」と思っていたとしても、会社が許さないんですから。欧米のテレビ局なんかはどんどん戦場に記者が入っていきますけど、そこが大きく違いますよね。


 じつは日本にも多くの戦場ジャーナリストがいて、彼らはフリーランス的な立場で戦場に入って取材をしているんですけど、彼らの映像をあまりテレビ局が買わなくなったのも大きな原因です。

昔はもっといろんな番組で、本当に安い報酬で気の毒でしたけど戦場ジャーナリストの映像を購入して放送していたんですが、特集枠みたいなものが少なくなったのでそれほど枠がなくなりました。予算削減やらコンプラの問題なども重なって、どんどん映像が使われなくなって、そうなると今度はフリージャーナリストも収入の道が少なくなってきて、いわば悪循環です。というなかなか残念な理由で日本のテレビは国際ニュースが薄い、というわけですね。


(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)


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