また“物言い”がついてしまった。
陸上自衛隊の3等陸尉・村田晃大容疑者が24日、東京都港区の中国大使館の敷地内に侵入。
確かに、侵入事件を巡っては、小泉進次郎防衛相は「法と規律を順守すべき自衛官が、在京中国大使館の敷地内に侵入し、建造物侵入の容疑で逮捕されたことは誠に遺憾」と言っているが、謝罪はしていない。
昨秋の高市首相による「台湾有事」発言以降、日中関係は最悪の状態。中国商務省は、三菱重工業やIHIなど20の日本企業や団体を対象としたデュアルユース(軍民両用)品目の輸出を禁止するとしている。そんな最悪の状況の中、さらにやらかしてしまったわけだ。中国外務省は「日本への渡航を控えるよう厳重に注意喚起する」と改めて呼びかけ。今後、日中関係はさらに悪化し、日本経済へのダメージは深刻化しかねない。
「村田は『中国側に日本に対する強硬発言を控えてほしかった』と供述。『意見が受け入れられなかったら自決するつもりだった』としていますが、中国側は『(村田が)中国の外交官を殺害すると脅した』と主張し、食い違っている。いずれにせよ、この状況でよくも大それたことをやったものだ。
そんな「部下」の不法行為に、進次郎大臣は「遺憾」と表明するだけ。高市首相もダンマリを決め込んでいるが、これだけ日中関係が冷え込んでいるのだから、一言くらい謝罪した方がいいのではないか。
■「即座に謝罪すべき案件」
「高市さんに謝る気はないでしょう」と言うのは、ある官邸事情通だ。
「昨秋の台湾有事発言で中国は猛反発しましたが、国内世論は『中国に負けるな』と盛り上がり、高市総理の追い風になった。2月の衆院選での大勝の一因にもなりました。いま謝罪してしまえば、『高市さんは腰抜け』と支持者が離れてしまう恐れがある。『遺憾』『残念』と評価するにとどめるでしょう」
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「外交関係に関する『ウィーン条約』では、外交官の身体の不可侵が保障され、受け入れ国の捜査当局に逮捕されない特権が与えられています。大使館の敷地内は、ある意味、当該国の『領土』と言えるのです。そこに不法侵入する行為は、国際法の基礎である『内政不干渉の原則』にもとります。相手が中国であろうと他の国であろうと、即座に謝罪すべき案件です。高市政権が感情的に中国に譲歩できないのだとしたら、国益に反する。
これが米国大使館だったら、すぐに“土下座”していたのではないか。
◇ ◇ ◇
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