少子化ゆえか早期教育に熱心な親が増え、中学受験をする子が増えている。“ゲッツ‼”のギャグで人気を博したお笑い芸人・ダンディ坂野さん(59)の子どもも中学受験に挑戦し、長女はこの春、高校2年生に。
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長男は無事に中学受験を終え、4月から希望にそった学校に通う予定です。どことは言えませんが、有名校です。僕がテレビなどで「息子が中学受験する」という話をしていたのに、息子はそれをプレッシャーには感じなかったようです。普段はのほほんとしているのに、意外に負けず嫌いな僕に似て、ここ一番というところで力を発揮するタイプなのかなあ、と思ったりしています。これまで週5日塾に通い、毎晩9時ごろに帰宅し、それから宿題をして……という勉強漬けの生活を送っていたので、今は解放感いっぱいで毎日好きなゲームを楽しんでいますね(笑)。
上位校に進学しても、子どもには「将来、好きなことをやればいい」と伝えています。息子は「お笑い系YouTuberになりたい」とか「歌手になりたい」と言っています。まだ幼いので、考えは変わっていくでしょう。ただ、お笑い芸人は勧めません。
■子どもに合わせて生活、受験直前は普段どおりに
子どもに「勉強しなさい」と言ったことはありません。ウチの奥さんが息子のサポートに徹してくれました。息子の塾での成績が良く、「上のレベルのクラスに上がったらどうか」と先生から提案を受けたとき、僕は「無理しなくていいんじゃない」と言ったんですけど、奥さんは「人生にチャンスはそう何度も訪れるものじゃないからチャレンジさせたい」と。僕は納得し、フォローに回ることにしました。
一番は、家族が安心して受験にのぞめるよう仕事をすることですが(笑)、塾の送り迎えをしたり、奥さんが子どもの勉強を見て「パパ、今は静かにしてね」と言われたときは静かにしたり(笑)。受験直前は普段どおりに接しました。
ウチは勉強だけではなく、基本的な食事や睡眠も大事にしています。奥さんが早く起きて毎朝ご飯を炊いて、シャケなどの焼き魚に野菜料理をあれこれ用意して子どもたちにしっかり食べさせてくれるので、僕も子どもと一緒に7時半には起きて、家族と食べます。僕だけダラダラ寝てちゃいけない、と思って。
睡眠もたっぷり。僕が「やらなければいけないことを先にやってから、好きなことをしなさい」といつも言うので、子どもたちは普段から、まずは勉強してから遊ぶ習慣を身につけています。
子どもに伝えているのは「他人に迷惑をかけないように」
僕より14歳下の奥さんは東北の出身で、地元の高校を出て上京し、都内の短大に進学した人です。子どもに中学受験させるママ友が周りに多かったことと、娘や息子が通った都内の公立の小学校では中学受験をする子が半分ほどいて、息子自身もやりたい、と言ったのが中学受験に挑戦したきっかけです。奥さんも「子どもの頭が柔らかい小さいうちに、たくさん学ばせて吸収させて、その先の人生の選択肢を増やしたい」と考え、僕は後から知ったのですが、子どもが小学2年生のときから塾に通わせていたそうです。
僕は田舎の公立中学から公立の実業高校に進んだくらいですから、勉強は全然しない子で、受験は高校受験だけ。親が「勉強しろ」と言ったのはそのときだけで、「第1志望の公立高校に落ちたら、お金がかかる私立に行くことになるから」と。だから、中学で成績が下がっていったときも、僕の頭の中は大好きだったトシちゃん(田原俊彦)や(松田)聖子ちゃんでいっぱいでした(笑)。
唯一、親から言われていたのは、「他人に迷惑をかけないように」ということ。「迷惑をかけなければ、好きなことをやりなさい」と。僕が「お笑い芸人になりたい」と上京したときも、快く送り出してくれました。そんな両親の影響で、僕も「他人に迷惑をかけないように」というのは、事あるごとに子どもに伝えています。
■人に親切にしたり、勉強をがんばったりするとご褒美
子どもが小さい頃は、細かいことでも子どもを叱っていましたよ。「車から降りるときは、ドアを乱暴に開けるな」とか。ドアを乱暴に大きく開けると、隣の車を傷つけたり、後ろから歩いてきた歩行者に当たってケガをさせたりして迷惑をかけるから。大きな声で叱ることもありました。子どもはビックリしていましたね。
でも、人に親切にしたり、勉強をがんばったりすると、ご褒美をあげます。長男は欲がなくて、グミとかコンビニのチキンとかを欲しがるくらい。でも、中学受験をがんばったごほうびは、お姉ちゃんと同じくスマホです。あとは音楽好きだからエレキギターを買ってあげようと思っています。ご褒美がきっかけで、家族の会話が生まれるかな、という思いもあるんです。家族仲が悪いと良いことはないので、会話は大事にしています。
会社員ではない僕は、会社員の人に比べ子どもと接する時間は長い。僕がYouTube動画の編集をしていると、子どもがそばに寄って来るので、「最初は何も知らなくても、ほら、やればできるようになるんだよ」と言うと子どもも興味をもち、僕がテレビにたくさん出ていた頃の映像を見ると、「スゴイじゃん!」と言ってくれたり。“オヤジの背中”を見せられているといいな、と思っています。
(取材・文=中野裕子/ライター)
▽ダンディ坂野 1967年、石川県加賀市生まれ。93年上京。29歳のとき舞台でデビュー。02年、マツモトキヨシのCMに起用されると、バラエティー番組「内村プロデュース」(テレビ朝日系)やお笑い番組「爆笑オンエアバトル」(NHK)にも出演し“ゲッツ‼”のギャグでブレーク。現在は各メディアへの出演のほか、自身の主宰する音楽ライブの制作にも尽力している。

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