高市首相が固執する新年度予算案の年度内成立はやはり絶望的だ。渋々まとめた暫定予算案は30日、成立する見通し。

悪あがきを続ける高市首相は「4.3予算成立」を画策するが、31日は予算関連法案を処理する予定だし、委嘱審査も残っている。自然成立は11日。議決成立にあたって日程が窮屈なのは変わりないのに、にわか1強を笠に着る高市首相の遠心力はジワジワ強まっている。


 そもそも、予算案の年度内成立が困難になったのは、答弁嫌いの高市首相が真冬の総選挙に突っ込んだからだ。


 それで審議入りが1カ月遅れたにもかかわらず、大勝して「数の力」を手に入れると、自民党の国対に慣例無視の超スピード審議を要求。結果、自民は衆院で職権を連発する羽目になり、不満が鬱積している。


「総理は国対もオンチ。年度内成立を押し込む割には国対幹部が携帯を鳴らしても取らないし、官邸も事情に疎いメンツばかりで機能不全状態」(自民中堅議員)


 衆院の予算審議は過去20年で最短の59時間だった。参院の審議時間は衆院の7、8割が相場だが、27日時点でも39時間しか積み上がっていない。野党は当初から60時間を求めているのに高市首相は一顧だにせず、ナントカの一つ覚えのごとく年度内成立に執着し続けてきた。


「内閣支持率は高水準を維持。総理は衆院で頭を下げ、年度内成立を〈伏してお願いします〉と一芝居打った。

野党が参院の土曜審議を拒否しようものなら総理に同情票が集まる。そんな見立てもあったが、野党は筋を通し、逆風も吹かなかった」(与党関係者)


■予算攻防は「4.3」「4.7」


 それでも「奈良の女」「メシ会苦手な女」、仲間がいない「女」は強い。矢面に立たされる集中審議への出席を拒み、「4.3成立」に向けて圧力。昨年の通常国会では参院の集中審議は7回行われたが、今年は1回。税金の使い道を決める国会もへったくれもありゃしない。もっとも、モタモタすれば予算案は自然成立し、参院の存在意義は薄れる。参院自民内では良識の府のあり方、そして野党の要求の間を取った「4.7成立」の線で集中審議を2回こなす案が浮上しているが、どうなるか。


 国会の外でも高市首相への不満は着実に広がっている。米国とイスラエルが対イラン軍事作戦を開始し、対米従属の自衛隊派遣が取り沙汰される中、反戦平和デモが各地で頻繁に行われている。28日の東京・新宿のデモでは「9条守れ」「高市やめろ」コールが延々と続く一方、中国大使館への自衛隊侵入事件をめぐり、謝罪を避けて「遺憾」でごまかす政権の対応に批判が噴出。何とも珍しい「代わりに謝る中国ごめん」コールが展開された。もろかった高市人気。

逆回転が始まりつつある。


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 参院自民と霞が関で加速する高市離れ。このまま孤立無援状態になるのか。関連記事【もっと読む】『「高市離れ」が参院自民と霞が関で急加速 11年ぶり暫定予算ドタバタ編成がダメ押しに』で詳しく報じている。


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