「間違った認識をされている方がいまだに多くいらっしゃるとは、正直、思ってもいませんでした」--元女優の江角マキコさんが、「元マネジャーに指示してやらせた」という誤情報が流布している「落書き騒動」について、初めて思いを語った。きっかけは、女性YouTuberのヘライザー総統が自らのチャンネルに投稿した動画である。

彼女は昨年2月、江角さんとは関係がない時事問題を取り上げる中で、「江角さんが元マネジャーに対して長嶋一茂氏の自宅に落書きをするよう指示したことがある」などと配信したのだ。


 江角さんは友人から動画の存在を知らされたという。弁護士と相談の上、同年6月中旬に削除と謝罪を要求。へライザー氏は要求を受け入れ、「重大なミスを犯しました」「事実ではない内容を発信してしまい、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪する動画を投稿した。この動画は現在も公開されている。


■「間違った情報が拡散していることに戸惑いました」


「これまで誤解されていると感じたことはありませんでしたので、間違った情報が拡散されていることに戸惑いました。迅速に動画を消去し謝罪していただき、良かったです」(江角さん、以下同)


 落書き騒動を最初に報じたのは、2014年の週刊文春(9月14日号)だった。同誌は「江角マキコに『バカ息子』と落書きされた長嶋一茂邸」とのタイトルで、江角さんの元マネジャーが長嶋氏の自宅に「バカ息子」などと落書きしたことを取り上げた。元マネジャーが取材にしどろもどろで答える様子も伝えている。


「確かに落書きをしたのは元マネジャーでしたが、彼はその数年前に私の担当を外れています。記事が出た時、私は元マネジャーがいる事務所を辞めていた。彼が警察の捜査に協力したことも、修繕費用を持参して上司と一緒に長嶋さんに謝罪したことも、のちに私が依頼した弁護士からの報告で知ったのです」



「もう女優に戻るつもりはありません」

 実際、江角さんは当時、自身のブログで「週刊誌でこの件を初めて知った」と釈明、「騒動を起こし迷惑をかけた」と元マネジャーから謝罪の連絡があったことを明かしている。


「私は弁護士から、元マネジャーにはうつの症状があり、通院している時に事件を起こしたと聞きました。そのため、事実をどこまで公にしていいものなのか悩み、弁護士と協議したのです。弁護士は元マネジャーと連絡も取ってくださった。それで彼の健康状態も含めた出来うる限りのコメントを発表できました。私が指示していないことも明記しましたので、皆さんにも理解していただいたのではないかと思っていたのです」


 だが、ブログでの弁明を取り上げるメディアは少なく、事実誤認は解消されなかった。


「私は2人目の子供が生まれた時、家族との時間を大切にしたいと考え、50代で引退することを決めていました。引退は、この件が報じられた1年半後。私はもう女優に戻るつもりは全くないんです。引退して8年が経ちましたが、芸能界への復帰は明確に否定できます。ただ、全く違うジャンルで経験を生かせる仕事には興味がある。今は、誰もがさまざまなツールを使って発信する世の中。私が皆さんと同じ感覚で発信すれば、それがYouTubeやインスタグラムであっても"芸能界復帰か"と言われてしまう。

何をもって芸能人なのか線引きは曖昧になっているように感じますが、いずれにしろ、誤解は解いておきたい。そう思って取材もお受けすることにしました」


 少し前には、友人が手がける美容ブランドのインスタやイベントに登場し、ニュースになった。今後も折に触れ、近況が報じられるかもしれない。


(取材・文=二口隆光/文筆業)


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