春クールは料理をテーマにしたドラマが並んだ。寿司、イタリアン、サバの缶詰、魯山人、刑務所のクサいメシ、孤独のグルメといろいろで、さて、どれからいただこうか。


「時すでにおスシ!?」(TBS系)は、子育てを終えた50歳の女性(永作博美)が、母親以外に自分の役割がなかったことに気づいて、勢いで第二の人生にお寿司屋さんを選んでしまうコメディー。寿司アカデミーに入学すると、講師は人見知りで頑固一徹の寿司職人(松山ケンイチ)、生徒もみなクセ強で戸惑うことばかりだった。江戸前寿司の「銀座おのでら」が監修し、徹底した役づくりをする松山の握る寿司は本格的だ。永作の親友役に有働由美子というのも話題になっている。


 福井県の水産高校の生徒たちが、地元名産のサバ缶詰を宇宙食に採用してもらおうと、研究・開発を続けた15年間を描いたのが「サバ缶、宇宙へ行く」(フジテレビ系)だ。実話をもとにしているので、「無重力空間で汁が飛び散らないための工夫」「宇宙では味は濃いめか薄めか」など、ドキュメンタリーとしても面白い。JAXA宇宙飛行士の野口聡一さんがこの「宇宙サバ缶」を実食する場面もある。


「食の巨人」も登場した。すでに放送が始まっている「魯山人のかまど」(NHK総合)は、“和の美”を追い求めた北大路魯山人を藤竜也が演じ、その素顔を雑誌記者(古川琴音)の目を通して描いている。魯山人が晩年を過ごした北鎌倉の折々の趣や、南麻布の日本料理店「分とく山」の料理人・野﨑洋光氏指導の料理が美しい。


 刑務所のメシは本当にクサいのか。「ムショラン三ツ星」(NHK総合)は、刑務所に勤務した管理栄養士の体験をドラマ化した。

イタリアンの一流シェフ(小池栄子)は、勤めていたレストランが閉店となり、急きょ決まった再就職先は刑務所だった。刑務所給食の1日の食費は543円。しかも、調理するのは受刑者たち。それでもシェフは少しでもおいしいものを作ろうと奮闘するのだが、調理当番の受刑者はふかした芋を冷やすのに水をぶっかけたり、冷凍コロッケが次々と爆発したりとテンヤワンヤ。


「今夜、秘密のキッチンで」(フジ系)は、結婚生活に不安を持つ女性とシェフがキッチンで逢瀬を楽しむラブストーリー。そして、「孤独のグルメ」(テレビ東京系)の井之頭五郎(松重豊)も3年半ぶりの新シーズンで帰ってきた。


 どれもおいしそうで、番組をアテに酒が飲めそうである。


(コラムニスト・海原かみな)


編集部おすすめ