【今週グサッときた名言珍言】


「もともと末っ子で構われるのがムカつくんです。私だってできるから」
小泉今日子フジテレビ系「ボクらの時代」3月22日放送)


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 小泉今日子(60)といえば、10代から活躍する国民的スター。

当然、スタッフも「大御所」として気を使う。ロケなどでも必要以上に休憩を挟んだり、ちょっとした移動でも車に乗せてくれたりするが、そういったスター扱いをことごとく断っているという。その理由を明かした言葉を今週は取り上げたい。だから、大事にしてくれようとしてるのは理解できるが、子供扱いされている気分になって嫌なのだという。


 デビュー当時も、既成概念を壊す「NO」と言えるアイドルといったイメージだった。幼い頃から「おかしい」と思ったことに対して抗わずにはいられない性格。親が水商売をしていたためか、事務所の人が警戒し「親に会うな」と言われたときも、「じゃあ、あなたも娘に会わないでもらっていい? だったら私も親に会いません」(フジテレビ系「ボクらの時代」2026年3月22日)と抵抗したという。


 もともとは歌手に憧れ、軽い気持ちでアイドルの世界に入った。だから歌唱力も演技力もかなわないという自覚があった。そんなとき「アイドル」とは何だろうと考えた。アイドルは「偶像」でジャンルではないと知った彼女はこう思い立つ。


「だったら、誰もやったことがないようなことに、常にチャレンジしていったら楽しいのかなとか、いままで見たことがなかった女の子像っていうのを、みんなで作ってみよう」(NHK「NHK MUSIC SPECIAL」22年3月10日)と。


「私が見たい理想の女の子像をプロデュース」(バズフィードジャパン「HUFFPOST」20年9月2日)している感覚だったという。「きっと、歌うことよりもそっちの才能、プロデュースする方がちょっと上手かも」(同前)と感じていたのだ。


 だから、49歳で制作会社「明後日」を立ち上げ、映画や舞台をプロデュース。51歳で事務所を独立したのもごく自然な流れだった。「別にこの仕事を辞めてもよかったし、自分の人生をちゃんと生きようと思った」(文芸春秋「文春オンライン」24年1月17日)から不安はなかった。


 今の日本には、芸能の世界だけではなく、古い慣習や考え方、構造など、あらゆるところに壊さないといけないものがたくさんある。「でも、若い時は本当に暴れれば壊れると思っていたし、私自身も暴れるのが楽しくてやっていたけど、いまはその感じではないかな。暴れたら壊れるとか、そういう問題じゃないから。それよりは、もっと知識を蓄えて、知恵をつけて戦いたい」(CEメディアハウス「Pen Online」23年10月22日)と、抗い方は変わっても彼女は戦い続けているのだ。


(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)


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