よっぽど暇なのか、それとも自身が命名者になったのがうれしかったのか。


 先月25日、大阪市内で捕獲された「迷いシカ」を保護している大阪府能勢町の温泉施設「能勢温泉」で3日、命名式が行われ、大阪府の吉村洋文と奈良県の山下真両知事が出席した。


■鹿せんべいを食べさせ大ハシャギ


 正式決定した「シカやん」の名前は、吉村知事が提案したもの。シカを捕獲後、大阪市の横山英幸市長が公式Xで実施した緊急アンケートに挙げた4つの候補名のうちのひとつで、6割の支持を集めた。


 吉村知事は「横山市長の名前の公募に応募してよかった。非常に親しみやすい名前だと思うので、これからも末永く皆さんに愛されるシカさんでいて欲しい」と話し、シカやんに「鹿せんべい」を食べさせ、「もうこれは奈良のシカやん」と大ハシャギしていた。


「シカやん」は先月21日から市内の複数の場所に出没。人慣れしていたことから奈良公園から来たとみられていた。奈良市の一部エリアに生息するシカは「天然記念物」に指定されているため、大阪市は奈良県に返そうとしたが、山下知事は「奈良公園から(外へ)出たシカは天然記念物ではなく、野生動物」と受け入れを拒否。27日、飼育実績のある能勢温泉に引き取られた。


「受け入れの環境や必要な時間、実績などを考慮して市からお願いしました。命名に関しては市長の政務の一環として実施され、市として市民に呼び掛けたものではありません」(大阪市健康局生活衛生課担当者)


 吉村知事はわざわざ施設まで足を運んだ理由について「シカやん2号、3号が大阪府内に来た場合には、その受け入れについても個別に相談させていただけるということになりました」と説明。今後も捕獲したシカの引き取りを依頼する考えを明らかにしたが、施設が「シカやん」だらけにならないのか。


「数年前にも市内にシカが出没したことがありましたが、今回のように人慣れしているわけではなく、純野生の個体だったので、市民に対する注意喚起、安全確保をしているうちに自然に山に帰っていきました。

普通はそうなので、同じようなケースはないと思います」(前出の担当者)


 奈良県には約6万5000頭のニホンジカ(2020年時点)が生息し、能勢町を含む大阪北部地域にも、最大で推定8300頭(24年)のシカがいるとみられている。大阪府ではシカが農作物や林業に被害を与えていることから、24年には年間約2000頭の駆除を実施している。


 吉村知事は人気取りのためならシカまで利用。メディアの前で「シカやん」を連呼して、ひとり悦に入っていた。


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 昨年、高市首相の発言をきっかけに、ネット上で「シカさんをいじめるな!」の声が噴出し大騒動が起きたが、奈良のシカの現状を「一般財団法人 奈良の鹿愛護会」会長に聞いた。関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。


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