米国とイランが2週間の停戦合意に至り、ひとまず国際社会には安堵が広がっているが、この間、ただ手をこまねいていたのが高市政権だ。


 先月19日の日米首脳会談で高市首相はトランプ大統領にいきなり抱きつき、手を腰に回したかと思えば、大好きな曲の演奏に狂喜乱舞。

サナエ・スマイル全開で媚を売っていた。


 ところが、停戦合意直前の今月6日、トランプはイラン情勢を巡って「(日本は)米国を助けてくれなかった」と批判。「北朝鮮から守るために5万人の米兵が日本にいる」と言い、日本への不満をぶちまけてみせた。


 高市首相のゴマすりは一体何だったのか。「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と歯が浮くほどヨイショしまくったうえ、日本円で約87兆円もの対米投資を“献上”。それで「助けてくれなかった」とディスられているのだから、何しに行ったのかという話だ。


 一方、イランへの対応もお粗末である。高市首相はきのう(8日)、ようやくペゼシュキアン大統領との電話会談を実施。停戦合意を「前向きな動きとして歓迎」と評価し「最も重要なことは今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られること。外交を通じて最終的な合意に早期に至ることを期待している」と、無難な発言に終始したという。


 会談時間はわずか25分で、通訳を介する時間を除くと実質は12~13分程度だろう。本来、ホルムズ海峡の開放や米国との仲介を持ちかけるべき場面だが、短時間では突っ込んだ話ができるはずもなく、挨拶程度だったことは想像に難くない。



欧州の首脳とは雲泥の差

 こんな状態では、日本の物価高も収まらない。ホルムズ海峡の事実上の閉鎖で、ペルシャ湾には日本関係船舶42隻が依然、停泊している。米ニューヨーク・タイムズによれば、停戦に向けた交渉の中で、イラン側は船1隻当たり約200万ドル(約3億2000万円)の通航料支払いによって通過を許可するとの対案を示したという。停戦合意で物流が回復しても、通過に伴う負担分が価格転嫁され、物価高を助長する恐れもある。


 翻って、欧州の首脳を見てみれば、イタリアのメローニ首相はエネルギー確保のために中東を歴訪。フランスのマクロン大統領は戦争開始から間もなくペゼシュキアンと面会し、英国のスターマー首相も8日、中東へ飛んだ。高市首相とは雲泥の差で、日本外交は存在感ゼロだった。国際ジャーナリストの春名幹男氏が言う。


「高市首相はこの間、国会で野党から『イランとの交渉はどうなっているのか』などと、追及されていました。聞かれるたびに『交渉中だ』『接触している』と答弁したものの、まるで動きがなかった。今回、批判を避けるため、とりあえずアリバイ的にペゼシュキアン大統領と手短な電話会談に及んだのではないか。本来、もっと早くイランへのアプローチを始めるべきでした。

もともと、親日国でパイプもあるのだから当然です。結局、トランプ氏の顔色をうかがい過ぎて、米国の頭越しにイランと交渉することができなかったのでしょう。高市外交は完全な失敗です」


 高市首相に任せていたら、日本はむしり取られるだけではないか。


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